【米消費者物価指数 去年同月比3.8%上昇 2年11か月ぶりの高水準】
【米有権者の家計を圧迫する高インフレ、個人消費にブレーキも】
【ウォール街で長期的なインフレ懸念強まる】
上記の報道にもあるように、米国ではインフレ(物価上昇)懸念が強まっています。
そして、この背景には、やはりイラン戦争に起因する原油価格の高騰があるようです。
ちなみに、米国の直近の「ビール消費量」は年率で6.3%も急落しているそうです。
(ガソリン価格が最高値になっているカリフォルニア州では、16%急落)
原油価格が高騰すればガソリン価格も高騰するわけで、【高騰する米国内のガソリン価格 イラン戦争開始以来52%上昇】という報道にもあるように、車社会の米国では、ガソリン価格の高騰が、国民の財布を大きく圧迫しているのです。
ところが、このような現状を完全に無視したかのように、米株式市場では、S&P500とナスダックが史上最高値を更新しました。
そして、NYダウも、ほぼ史上最高値に近い水準にあります。
一方で、日本でも次のようなニュースが報じられています。
【カルビー、ポテトチップスなど白黒包装に インク不足で伊藤ハムも検討】
カルビーが、スナック菓子「ポテトチップス」など自社の主力商品のパッケージを白黒に変えるようです。
これもイラン戦争に起因する、印刷インク不足が深刻化していることを受けた措置で、ナフサ(粗製ガソリン)不足から印刷インクの原料である溶剤や樹脂の品薄状態が続いていることが背景にあるようです。
そのような中、ネット上では、「ポテトチップス」白黒パッケージの画像を見ることができますが、個人的には、けっこう衝撃でした。
また、トヨタ自動車もイラン戦争に起因する、物流環境の悪化などで、4月は国内4工場5ラインでの一時稼働停止が明らかになっていますが、5月も国内で2工場2ラインの一時稼働停止を計画していることが明らかになりました。
さらに、次のようなニュースも報じられています。
【「ナフサショック」で今夏にも倒産急増か…4万6741社を襲う「調達危機」の深刻度】
【「ホルムズ・インフレ」は3倍速で家計圧迫 豆腐から車まで供給不全の影】
【街角景気が4年ぶり低水準 中東情勢混乱で、2カ月連続悪化】
【4月の企業倒産、12年ぶり高水準 コスト高で建設業苦境に】
これらのニュースからも分かるように、日本の実体経済は危機的な状況です。
しかし、米株式市場と同様で、日経平均株価も終値で史上初の6万3000円台を付けるなど、史上最高値を更新しました。
いったい、何がどうなっているのでしょうか?
現状のような、「実体経済と乖離した株高」の要因は複数あると思いますが、AI(人工知能)などのコンピュータープログラムに基づいて自動発注する「アルゴリズム取引」の影響が無視できません。
また、「実体経済と乖離した」という点では、為替市場も同様で、これも「アルゴリズム取引」の影響が無視できません。
例えば、以下のような報道がありました。
【ウォール街の為替トレーダー、アルゴリズムで代替可能-新時代に突入】
【「愚かな」AIボットが共謀し価格操作-研究で判明の怖いシナリオ】
【プラザ合意40年 激変の外為市場 AIが為替動かす時代に】
【高速取引とは 100万分の1秒単位で売買】
つまり、これらのニュースを簡潔にまとめると、株式市場も為替市場も、現在はAI(人工知能)が席巻しているということです。
ただし、上記の【「愚かな」AIボットが共謀し価格操作-研究で判明の怖いシナリオ】で言及されていますが、人間は「足並みをそろえて愚かな行動を取るのは難しい」一方で、AIは「利益が出ている限り、愚かさで足並みをそろえることを選んでもいいと考える」ようです。
そして、その結果として、株式市場も為替市場も、現在のような「実体経済と乖離した価格」になっていると考えられるのです。
しかし、このような、AIの、ある意味での「暴走」を放置しておいて、人間に「実害」はないのでしょうか?
実際、米国の「AI開発者やAI関連企業経営者たちが集まる会議」では、出席者の60%もの人たちが「10年後には、AIが人類の半分を滅ぼす」と回答したそうです。
したがって、AIがもたらす未来について考えると、明らかに「規制」を模索しなければならない段階に来ていると言えるでしょう。
そのような中、先日は、世界3大投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏が率いた(現在はアベル氏が後任)投資会社バークシャー・ハサウェイの手元資金が、過去最高の3970億ドル(約63兆円)になったと報じられています。
バフェット氏が以前言ったように、「このようなときに投資を続けるのは、火遊びをしているようなものだ」という考えが、その背景にはあるのでしょう。
ですので、現在の相場についても、バフェット氏をきちんと見倣って、いつ「逆回転」が起こってもおかしくないと想定し、引き続き慎重に取り組んでいきましょう。
