先月の日経平均株価の「月間下落幅」は、35年ぶりに過去最大を更新しました。
そして、以下のようなニュースが報じられました。
【ヘッジファンド、3月は過去4年で最悪のドローダウン=ゴールドマン】
これもやはり、米国・イスラエルとイランの戦争による「株式市場の激しい価格変動」によって、先月は世界のヘッジファンドが過去4年で最悪のドローダウン(保有資産の減少率)に見舞われたというニュースでした。
そのような中、ロイターが【インタビュー:中東緊迫で市場乱高下「AIトレード、値動きを増幅」=大阪公立大・中川氏】と報じましたが、最近の相場はAI(人工知能)が値動きを増幅させているとのことで、AIは「過去の類似事例から瞬時に影響を推論する」ため、AIを活用する多くの投資家が同じ結論に至りやすく、その度に「値動きが激しくなりがちだ」ということでした。
実際、先週の4月1日も【日経平均株価2675円上昇し、過去4番目の上げ幅に トランプ大統領がイランでの作戦終了に言及し不透明感和らぐ】と報じられ、日経平均株価の上げ幅が「過去4番目の上げ幅」を記録しました。
ただし、2025年の世界各国の報道自由度ランキングで、日本は66位、米国は57位でしたので、個人的には、前述の「イランでの作戦終了に言及し不透明感和らぐ」という点について、真に受けてはいけないと思っていました。
すると、これまた、やはりというか、翌4月2日には【原油価格、一時106ドル台に急騰 トランプ氏演説で停戦観測が後退】と報じられ、トランプ米大統領の演説によって「停戦観測の後退」が意識され、日経平均株価の下げ幅は一時1400円を超える下げ幅となりました。
いずれにせよ、「イランでの作戦終了に言及し不透明感和らぐ」や「停戦観測が後退」といった文言からも分かるように、相場においては「決め打ち」をしない方が賢明です。
そもそも、「対イラン戦争は、良心に照らして支持することはできない」と言って辞任したジョー・ケント氏(米国家テロ対策センターのトップ)が述べたように、今回のイラン戦争には何の「大義名分」もありません。
そのくせ、相場においては「インチキ」さえ見られるのです。
【攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋】
【インサイダーか? 米先物市場で謎の巨額取引 トランプ氏の「攻撃5日間延期」発表15分前に“完璧な取引”】
実際、上記のような「インサイダー取引」を巡る報道が相次いでおり、「トランプ米大統領の発言が毎日のようにコロコロ変わる」⇒「発言内容を事前に知っている連中がいる」⇒「インサイダー取引で稼ぐ」という構図が見られるのです。
しかも、前述のように、このような相場の値動きをAIが増幅させているわけです。
ただし、「相場の値動きをAIが増幅させる」⇒「トランプ米大統領の発言が毎日のようにコロコロ変わる」⇒「相場の値動きをAIが『逆方向に』増幅させる」という構図もあるわけです。
では、このようなことを踏まえて、最近の相場には、どう対処したらよいのでしょうか?
相場格言に「トレンド イズ フレンド」というものがあって、要するに「トレンドに乗ることが大切だ」という意味なのですが、トレンドに乗ったと思った瞬間、「トランプ米大統領の発言が毎日のようにコロコロ変わる」⇒「相場の値動きをAIが『逆方向に』増幅させる」というケースが想定されるため、もう一つの相場格言「利食い千人力」を意識しておいた方がいいでしょう。
ちなみに、「利食い千人力」とは、含み益が出たら早めに利益確定させることが賢明であるという相場格言です。
一方で、相場の基本といえば「安く買って高く売る」ですが、安く買ったと思った瞬間、「相場の値動きをAIが増幅させる」⇒「さらに安くなる」というケースや、高く売ったと思った瞬間、「相場の値動きをAIが増幅させる」⇒「さらに高くなる」というケースも想定されるため、ポジション量には十分留意した方がいいでしょう。
それでも、「トランプ米大統領の発言が毎日のようにコロコロ変わる」⇒「相場の値動きをAIが『逆方向に』増幅させる」ことによって、含み損から含み益に転じるケースも多々あるでしょうから、その際は、再度「トランプ米大統領の発言が毎日のようにコロコロ変わる」を意識して、「利食い千人力」を実行するのが賢明だと思います。
いずれにせよ、最近の相場の対処としては、「利食い千人力」と「リスク管理」が重要なカギとなるでしょう。
さて、このように、最近の相場について考察してみましたが、本当に、今の世界は「滅茶苦茶」になってきたと思います。
そのような中、最近「これでもか!」というくらい頻繁に報じられ、警鐘を鳴らされているのが、「プライベートクレジット」に関するニュースです。
ちなみに、「プライベートクレジット」とは、銀行融資や社債発行と異なり、投資ファンドなどが投資家から集めた資金を中堅・中小企業などに供給する仕組みで、端的に言えば「融資」です。
そして、遂にウォーレン・バフェット氏(世界3大投資家の一人)からも警鐘が鳴らされたのです。
【バフェット氏、銀行システムの脆弱性を警告-プラクレ関連で】
結局のところ、背景には「銀行」⇒「プライベートクレジット・ファンド」⇒「中堅・中小企業」という資金の流れがあって、バフェット氏は「銀行システムの脆弱性」に警鐘を鳴らしているわけです。
そして、この件については、以前、米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)も、「ゴキブリが1匹いたら、もっとたくさんいる」と言って警鐘を鳴らしたのです。
さらに、先日は、イギリス中央銀行のアンドリュー・ベイリー総裁もプライベートクレジットについて、「2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)を思い起こさせる」と訴えました。
相場は前述のように、「利食い千人力」と「リスク管理」を意識しながら取り組んでいきましょう。
