また、BNPパリバ!?(2025/10/27)

 

 

 

「また、BNPパリバ!?」

 

 

 

先日、私はこのようなことを思いました。

というのも、以下のようなニュースが報じられたからです。

 

 

 

 

 

BNPパリバ、株価一時11%安 スーダン虐殺巡る米集団訴訟で賠償命令】

 

 

 

 

 

2000年代のスーダン内戦で発生した「虐殺」に対し、仏金融大手のBNPパリバが「スーダン政府を金融面で支援した」と認定され、しかも原告が23000人もいることから、賠償範囲が広がる可能性を懸念した売りが膨らんだというニュースです。

さらに、ニュースにもあるように、BNPパリバの株価急落(11%安)が凄まじかったことから、取引停止にもなったのです。

 

 

 

ちなみに、世界には、いくつもの「大きすぎて潰せない銀行」があります。

金融用語では「G-SIBs」と言い、これはFSB(金融安定理事会)が世界的な金融システムの安定に欠かせないと認定した銀行を指します。

全世界で29行が指定されており、日本では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループの3メガバンクが指定されています。

そのような中、仏金融大手のBNPパリバもこれに指定されているのです。

 

 

 

ところで、冒頭の「また、BNPパリバ!?」には理由があります。

 

 

 

というのも、200789日に「パリバショック」があったからです。

これは当時、サブプライムローン(低所得者、信用力の低い個人向けローン)が組み入れられた金融商品がデフォルト(債務不履行)を起こし始め、サブプライム関連商品を多額に保有していた欧州の金融機関に対して警戒感が強まっていたところ、BNPパリバが傘下のファンドの「新規募集と解約を凍結する」と発表したことで、世界のマーケットがパニックに陥った出来事を指します。

 

 

 

当時、私は勤めていた会社で夏休みをもらって旅行していたところ、部下から「相場がとんでもないことになっています!」「大荒れです!」との電話をもらったため、よく覚えています。

 

 

 

この時なんと、為替相場は1週間で、ドル円が約10円、ユーロ円が約15円、ポンド円が約20円も「下落」したのです。

要するに、「凄まじい円高」になったということです。

 

 

 

さらに、これには「続き」があって、20083月には当時の米国第5位の投資銀行ベアー・スターンズが、同じくサブプライムローン問題が原因で経営が急速に悪化し、2008530日に米金融大手のJPモルガン・チェースに買収されました。

そして同年915日、かの有名な「リーマン・ショック」へと繋がっていったのです。

 

 

 

ですので、今回のBNPパリバの株価急落(11%安)も、2008年の金融危機を彷彿とさせるような「サイン」ではないかと、個人的には思うのです。

 

 

 

実際、英イングランド銀行(中央銀行、BOE)のベイリー総裁も、「最近の米国プライベートクレジット市場の混乱(米自動車関連2社の経営破綻)が、2008年のサブプライム危機を彷彿とさせる懸念すべき兆候を示している」と警告を発しており、いずれにせよ、予断を許しません。

ところが、相変らず株式市場は「能天気」です。

 

 

 

 

 

【日経平均 史上初めて5万円を突破 一時1000円以上値上がり 高市総理の政策への期待など追い風に】

 

 

 

 

 

さて、冷静に考えたいところですが、今年の4月、日経平均は30792円まで落ち込んでいました。

そして、そこから半年経った今、日経平均は5万円を突破したわけで、要するに2万円も上昇したということです。

 

 

 

そんな今年の4月はどのようなニュースが報じられていたかというと、【令和の百姓一揆 「農業を守れ」 トラクター30台と4500人が都心デモ】といったニュースが報じられていました。

ところが、肝心の「コメ価格」は、今年の4月も現在10月も、ほとんど「横ばい」で変わっていません。

 

 

 

また、1010日に発表された日銀による「生活意識に関するアンケート調査」では、現在の暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と回答したのが56.1%で、過半数もいるわけです。

 

 

 

さらに、先日は【個人の自己破産、12年ぶり高水準 物価高・賃金低迷で借り入れ拡大】というニュースや【中流消滅、7人に1人が「最下層」 格差データが示す日本企業の罪】というニュースまで報じられました。

 

 

 

それにもかかわらず、日経平均は今年の4月から2万円も上昇したわけで、「これって、おかしくないですか?」ということなのです。

 

 

 

一方、米国も似たり寄ったりで、先日は【米国株式市場、NYダウ、ナスダック続伸、両指数とも終値で史上最高値】と報じられ、株高が止まりません。

 

 

 

しかし、同時に【米地銀、信用不安が再燃 ローン不正、影響拡大を警戒】というニュースもあり、米国の地方銀行の経営に警戒感が出始めています。

 

 

 

この背景には、2020年から始まった「新型コロナウイルス」などの影響で、企業がリーモートワークを推進し、オフィス需要が大きく減少したことがあります。

結果、商業用不動産の需要が大きく落ち込み、これに積極的に融資していた地方銀行の経営に警戒感が出始めているわけです。

オフィスの空室率が上昇し、資産価値が急激に下落すると、ローンの支払いに耐えられない不動産会社の破綻が増えるからです。

 

 

 

実際、米金融大手JPモルガンのダイモンCEO(最高経営責任者)も「ゴキブリを1匹見つけたらもっといるかもしれない」と危機感を表明しており、これを軽視しない方がいいでしょう。

 

 

 

そのような中、為替相場ですが、高市早苗内閣で片山さつき氏が財務相に起用されました。

そんな片山さつき氏は【財務官僚は「怖い先輩」に恐々 パイオニア片山さつき氏の人物像】という報道にもあるように、後輩にあたる財務官僚には、かなり恐れられているようです。

そして、これを念頭に意識したいのが、今年3月のロイターのインタビューで、片山氏は「1ドル=120円ぐらいが妥当」と語っていたことです。

 

 

 

いずれにせよ、今は「異常な円安」です。

また同時に、今は「異常な株高」でもあります。

 

このような全体像を踏まえて、相場は引き続き慎重に取り組んでいきましょう。