発言の切り取り!?(2025/6/30)

 

 

 

2025年、世界各国の報道自由度ランキングで、日本は66位、米国は57位でした。

 

 

 

順位がこのようになっている理由として、例えば日本は「政府や企業が日常的に主流メディアの経営に圧力をかけている」「記者クラブ制度があり、既成の報道機関のみが記者会見や高官へのアクセスを許可されており、記者に自己検閲を促している」「特定秘密保護法によって、政府にとって都合の悪い情報が特定秘密にされてしまう恐れがある」等と指摘されています。

 

 

 

一方、米国は「主要メディアが民主党寄りの論調に偏っている」「共和党支持者の意見が陰謀論と決めつけられる傾向がある」「ジャーナリストに対する暴力や嫌がらせが増加している」等と指摘されています。

 

 

 

ここで、このような実態を踏まえた上で、以下のニュースを見ていきます。

 

 

 

 

 

CNN「イラン核施設の中核は破壊されず」…トランプ氏「失礼だ」「フェイクニュースだ」】

 

 

 

【「初期軍事報告書に核施設破壊できず」…トランプ大統領「クズどもの偽ニュース」】

 

 

 

【トランプ氏「イランに核兵器計画存在」、議会に説明 情報機関と矛盾】

 

 

 

 

 

さて、既報のように、トランプ米大統領は、米軍がイラン国内3カ所の核施設を空爆したと発表しました。

 

 

 

これに対して、CNNは、「イランが備蓄した濃縮ウランは事前に施設から運び出されて破壊されておらず、ウラン濃縮に必要な遠心分離器もほぼ無傷だ」と報じました。

 

 

 

しかし、トランプ米大統領は「CNNはクズどもであり偽ニュース」「彼らは命をかけて任務を遂行した操縦士を傷つけ、私を引き下ろそうとする」と述べ、ヘグセス米国防長官も「爆弾が破壊的でなかったと話す人たちは、ただ大統領と作戦成功を毀損しようとしている」と述べ、ホワイトハウスのレビット報道官も「CNNは完全に誤り」と述べました。

 

 

 

はたして、CNNとトランプ政権、どちらの主張が正しいのでしょうか?

 

 

 

ここで、どちらの主張が正しいのかを考える前に、一般的にも言われていることではありますが、「メディアは、人の発言を切り取って、文脈から外れた形で報道する」ということを押さえておく必要があります。

 

 

 

繰り返しになりますが、「メディアは、人の発言を切り取って、文脈から外れた形で報道する」ということが、しばしば指摘されているのです。

 

 

 

例えば2018年、当時のトランプ米大統領が、不法移民について話す中で「MS-13(大規模なギャング、反社会的勢力)は動物だ」と発言しました。

ところが、当時の主要メディアは「トランプ米大統領が、移民全体を動物呼ばわりした」という見出しで大きく報じたのです。

これこそ、分かりやすい、「人の発言を切り取って、文脈から外れた形で報道する」の典型です。

 

 

 

そして、上記の【トランプ氏「イランに核兵器計画存在」、議会に説明 情報機関と矛盾】についても、何が「矛盾」と指摘されているのかと言うと、トゥルシー・ギャバード米国家情報長官が「イランはまだ核開発に着手するほどの段階ではない」と分析したことと「矛盾」だとの指摘です。

だからこそ、「何のために、米軍はイランを空爆したのか?」というわけです。

 

 

 

ところが、肝心のトゥルシー・ギャバード米国家情報長官は、以下のようなことを述べています。

 

 

 

 

 

「不誠実なメディアが、私の発言を切り取って、文脈から外れた形で、偽のニュースを流して分断を煽った。今年3月に、イランは2003年に核兵器開発計画を終了し、必要な技術をまだ全て習得していないと分析したが、イランが核兵器開発計画を再び決定すれば、数週間から数か月で核兵器を製造できる段階にあるという情報を掴んでいる。トランプ米大統領は、そうしてはならないと表明しており、私もトランプ米大統領と同意見だ」

 

 

 

 

 

さて、このような流れを見ても分かると思いますが、CNNとトランプ政権、どちらの主張が正しいのか(聞くべきか)と言うと、トランプ政権だと言えるでしょう。

 

 

 

そして、このことからも言えますが、主要メディアの報道を鵜吞みにするよりも、要人(トランプ政権)の発言を丹念にフォローする方が、状況は正確に把握できると言えるでしょう。

 

 

 

また、その上で言えることでもありますが、今回のイスラエルとイランの停戦合意は、トランプ米大統領による「快挙」と言えます。

 

 

 

以前、元ヘッジファンドマネージャーでもあるベッセント米財務長官は「市場は常にドナルド・トランプ氏を過小評価している」と言いましたが、市場(=相場)においても、トランプ米大統領を過小評価しない方がいいでしょうし、日米の主要メディアが民主党寄りの論調(=反トランプ)に偏っていることにも十分に注意を払った方がいいでしょう。

 

 

 

では、今後の相場はどうなっていくのでしょうか?

 

 

 

これについては、トランプ米大統領の発言と日米の主要メディアの報道が「一致」していますが、トランプ米大統領は明確に「ドル安」を望んでいます。

 

 

 

 

 

【トランプ大統領 利下げにより年800億ドルはプラスとなる】

 

 

 

FRB議長、利下げに慎重姿勢崩さず「関税は物価上昇促す」…トランプ氏「愚かで頑固な人物」投稿】

 

 

 

【トランプ氏、FRB次期議長の早期指名を検討 顔ぶれは】

 

 

 

【ドル円145円台割れ、トランプが10月までに新たなFRB議長を選出する可能性 ドル全面安】

 

 

 

 

 

上記の報道のように、トランプ米大統領としては、利下げにより、政府の金利支払いを毎年数百億ドル単位で減らせる(毎年数百億ドルはプラスとなる)ということで、利下げすべきだという主張です。

したがって、今のパウエルFRB議長には不満で、FRB次期議長の早期指名を検討しているのです。

 

 

 

 

このようなことを踏まえれば、今後の相場は「ドル安目線」でOKと言えるでしょうが、同時に、何が起きてもおかしくないのが昨今の情勢なので、引き続き、相場は慎重に臨みましょう。