【トランプ関税、「フェイクニュース」が動かした350兆円】
今から1か月前の4月7日、ニューヨーク株式市場でダウの激しい乱高下がありました。
当日、私はリアルタイムで相場を見ていたのですが、前日比1703ドル安 ⇒ 前日比892ドル高といった「急落 ⇒ 急騰」の値動きがありました。
つまり、その日の安値から2595ドル(1703ドル+892ドル)急騰したのですが、今度は、そこから1241ドル急落し、最終的には「前日比349ドル安」で引けたのです。
上記のニュース(日経新聞)は、その時の様子について触れたものですが、これは「フェイクニュース(嘘ニュース)」に振り回されての「乱高下」だったということでした。
具体的には、10分間でS&P500の時価総額が約350兆円増加し、その後、「フェイクニュース」と分かると、値上がりはすべて帳消しになった、ということでした。
ちなみに、この2595ドルという値幅は、取引時間中の値幅として、1998年以降で過去最大を記録しています。
しかし、いずれにせよ、このようなことは相場に限ったことではなく、今の時代というのは、本当に「フェイクニュース」に注意が必要だと思います。
そのような中、現在のトランプ米大統領の支持率について、日米の主要メディアは大方、以下のような感じで報じています。
【トランプ大統領の支持率6ポイント下落、39%に・・・政権発足100日では1945年以降最低】
上記は読売新聞のニュースですが、読売新聞に限らず、日本の主要メディアが「米民主党寄り」であることは押さえておく必要があります。
そして、このような日米の主要メディアの「支持率最低」とする報道に対して、トランプ米大統領は以下のように述べました。
「フェイクニュースがやっている世論調査(支持率)は、フェイク(嘘)そのものだ」
一方で、2016年の米大統領選「トランプ 対 ヒラリー」では、やはり日米の主要メディアは揃いも揃って【ヒラリー優勢】と報じていたのですが、その中で唯一正しく予測していた世論調査組織の「ラスムッセン」は、上記の日米の主要メディアの支持率に関する報道「政権発足100日では1945年以降最低」とは逆で、「政権発足100日ではトランプ米大統領の支持率は高い」と述べています。
これは、まともに考えれば、「ラスムッセン」の方が信用に値するのではないでしょうか?
周知のように、現在、世界各国の報道自由度ランキングで、米国は55位、日本は70位です。
順位がこのようになっている理由として、例えば米国は「主要メディアが民主党寄りの論調に偏っている」「共和党支持者の意見が陰謀論と決めつけられる傾向がある」「ジャーナリストに対する暴力や嫌がらせが増加している」等と指摘されています。
一方、日本は「政府や企業が日常的に主流メディアの経営に圧力をかけている」「記者クラブ制度があり、既成の報道機関のみが記者会見や高官へのアクセスを許可されており、記者に自己検閲を促している」「特定秘密保護法によって、政府にとって都合の悪い情報が特定秘密にされてしまう恐れがある」等と指摘されています。
結果、報道自由度ランキングが米国は55位、日本は70位なのですが、直近の数年でも、以下のような報道は、多くの人たちから「おかしいでしょ」と指摘されています。
(報道)トランプ氏はロシアのスパイである
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(実態)トランプ陣営とロシア政府の「共謀」を調査したロバート・モラー特別検察官の報告書では、「共謀の証拠は見つからなかった」と結論付けられた。トランプ氏とロシアの関係を強く示唆する「スティール文書」も、後に「多くの内容が裏付け不能」あるいは「虚偽の情報を含む」と指摘された。さらに、FBIの捜査も、政治的動機や偏りを持って始められた疑いがあった。
(報道)ハンター・バイデン(バイデン前米大統領の息子)のノートパソコンは偽物である
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(実態)ノートパソコンには、バイデン親子とウクライナ企業や中国企業との不透明な関係を示唆するメールが含まれていた。FBIも、ハンター・バイデンのノートパソコンを2019年から捜査していた事実が明らかになった。旧Twitterが、FBIやバイデン陣営からの要請があり、この情報を「偽情報」として検閲したことが明らかになった。
(報道)新型コロナウイルスは自然発生である
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(実態)2021年に、FBIが「研究所流出説」を有力とする見解を公式に発表した。FBI前長官クリストファー・レイも、「最も可能性が高いのは研究所からの流出」と公言した。CIA(米中央情報局)も、「自然発生より研究所から流出した可能性が高い」とする見解を発表した。
(報道)カマラ・ハリスは素晴らしい米大統領候補だった
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(実態)カマラ・ハリス人気というのは、バイデン前政権側が仕掛けていたものであって、米国の民意の実態とはかけ離れていた。オンラインカジノのオッズではトランプ62.3%、カマラ・ハリス37.6%と、トランプ圧勝が予想されていた。米ABCニュースで、米大統領選に向けて9月10日に行われた候補者「テレビ討論会」では、司会者2人がそれぞれ100万ドルをハリス陣営から受け取っていた。
さて、多くの人たちから「おかしいでしょ」と指摘されている報道は「まだまだ」ありますが、このような、米国55位、日本70位という「報道」が、支持率に関して「トランプ政権発足100日では1945年以降最低」と言い、2024年の米大統領選でも【ハリス優勢】と報じていたわけです。
したがって、トランプ米大統領が主要メディアを「フェイクニュース」と言うのも、もっともだと思います。
問題は、冒頭でも触れたように、たとえ「フェイクニュース」であっても、過去最大の値動きを記録してしまうことがある、ということです。
そして、だからこそですが、引き続き相場の乱高下には注意して取り組んでいきましょう。