革命!?(2024/11/18)

 

 

 

米共和党が大統領選挙と同時に行われた議会選挙で、上院に続いて下院でも多数党の地位を確定しました。

来年1月3日に共和党が両院を掌握した議会がスタートし、同月20日にトランプ次期大統領が就任します。

 

 

 

そして、トランプ氏ですが、次々に新政権の人事を発表すると同時に、新しい政策を次々に発表しています。

 

 

 

中でも、ケネディ元米大統領の甥で、弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏は、トランプ次期政権で厚生長官に就任しますが、先日以下のような興味深い発言をしています。

 

 

 

 

 

「私は最近2日間トランプ氏と過ごしましたが、彼は私にとって衝撃的なことを言っていました。彼が私たちの政府に起こしたい変化のレベルは前例のないものになると思います。彼は革命を望んでおり、それは実現すると思います」

 

 

 

 

 

また、世界一の大富豪で、実業家のイーロン・マスク氏がトランプ次期政権でDOGE(政府効率化省)を率いることになりました。

そして、以下のような発言もしています。

 

 

 

 

 

「注目すべきは、ハリス氏を支持した億万長者の数はトランプ氏よりもはるかに多く、ハリス氏はトランプ氏より50%近く多くの資金を集めたということです。それでも、米国は選挙が金銭だけの問題ではないことを示して、トランプ氏に圧倒的な勝利を与えたのです!」

 

 

 

「連邦政府機関は428あります。聞いたこともないような機関がたくさんあります。99の機関で済むはずです」

 

 

 

「我が国の防衛予算は莫大です。1兆ドルです。米国政府の負債の利子は防衛予算よりも高くなっています。これは持続可能ではありません。だからこそ政府効率化省が必要なのです」

 

 

 

「(新型コロナウイルス感染対策を指揮した)アンソニー・ファウチ氏を起訴すべきです」

 

 

 

 

 

そのような中、前述のケネディ氏の言う「変化のレベルは前例のないもの」「革命」の観点からは、マスク氏の以下のニュースは注目に値します。

 

 

 

 

 

【マスク氏、米FRB廃止支持? SNS投稿に賛同の絵文字】

 

 

 

 

 

これは、マイク・リー上院議員(共和党)がXで、「FRBは、憲法から逸脱している多くの事例の一つだ」と投稿したことに対して、マスク氏が「100点」の絵文字で呼応したというものです。

 

 

 

そもそも、FRB(米連邦準備制度理事会)については、決して少なくない人たちが廃止を主張しています。

理由を簡単に整理しますと、以下のようになります。

 

 

 

 

 

・よく米国政府の「負債(借金)」と言うが、誰からの「負債(借金)」なのか?

これは、銀行、投資信託、保険会社、年金基金、個人投資家、外国政府、外国の投資家も含まれるが、同時に「FRBからの負債(借金)」でもある。

 

 

 

・米国政府は「通貨発行権」を持つFRBに借金をしている形だが、FRB12の連邦準備銀行から構成されており、これらの連邦準備銀行には「民間銀行が出資」している。

 

 

 

・米国政府の「負債(借金)」は利息を付けてFRBに返済され、その資金の一部は12の連邦準備銀行の株主(出資している民間銀行)に配当として利益が回る仕組みになっている。当然ながら、その民間銀行にも株主がいるので、そこにも配当として利益が回る仕組みになっている。

 

 

 

・米国政府の「負債(借金)」は利息を付けてFRBに返済されるが、返済の資金源は?

返済の資金源は「国民の税金」である。つまり、「国民の税金」が、FRBを通して連邦準備銀行の株主である民間銀行に、さらには民間銀行の株主に流れている。

 

 

 

・米国の財政赤字や累積債務は数十兆ドル規模にのぼり、その利息支払いだけでも膨大な金額になる。つまり、米国政府が借金を増やすことで膨らむ利息支払いが「国民の税負担」につながる一方、その「国民の税負担(税金)」が民間銀行に、さらには民間銀行の株主に流れている。

 

 

 

・「米国政府が借金を増やす=FRBが通貨発行を増やす」ことは、インフレ(物価上昇)を招くし、「国民の税負担(税金)」を増やす。

 

 

 

FRBはクリスマス休暇中の19131223日に設立された。しかし、当時の議会はクリスマス休暇に入る直前だったため、メンバーが少ない状態で、十分な議論がされないまま可決された。

 

 

 

 

 

さて、上記のような理由から、マスク氏を含め、決して少なくない人たちがFRB廃止を主張しているということです。

 

 

 

しかし、よく知られた話ではありますが、過去に米大統領で「通貨発行権」というFRBの特権に挑戦した大統領は、すべて暗殺もしくは暗殺未遂を経験しています。

 

 

 

ですので、前述のケネディ氏の言う「変化のレベルは前例のないもの」「革命」といったことを考えますと、トランプ氏は、これから凄まじい抵抗に遭うのではないでしょうか。

 

 

 

いずれにせよ、このような流れを踏まえますと、相場は「いつでも何かが起こり得る」ということで、乱高下を想定すべきだと思います。

また、次のニュースも意識しておいた方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

【トランプ・トレードで円安加速 「トランプ氏はドル安志向」 年明け以降は円高の見立ても】

 

 

 

 

 

現在、足元の動きは「ドル高」ですが、多くの投資家はそれとは逆に、中長期的に「ドル安円高」の方向で構えているようです。

なぜなら、よく知られるように、トランプ氏は米国製品の国際競争力を高めるため、ドルは安い方がいいと考えているからです。

 

 

 

 

相場は引き続き、十分に注意しながら取り組んでいきましょう。