無視できないレベル(2024/4/22)

 

 

 

行き過ぎた「円安」が、国家としても無視できないレベルになってきたようです。

以下は先週のニュースです。

 

 

 

 

 

【日商会頭、円安修正で政府に要望「非常に困る。他国との協調介入を」】

 

 

 

【財界首脳から相次ぐ円安是正要望、「行き過ぎ」と新浪氏-155円目前】

 

 

 

【日米韓、外為市場の動向巡り「緊密に協議」 初の財務相会合】

 

 

 

 

 

日本商工会議所の小林会頭は記者会見で、外国為替市場の円相場が1ドル=155円に迫る円安水準になっていることについて「非常に困る。困る度合が日に日に高まっている」と苦言を呈しました。

特に、コストプッシュインフレ(原材料費などコストの上昇によるインフレ)が「再燃する懸念が非常に強い」と懸念し、特に中小企業は円安による負の影響が大きいとの見方を示しました。

 

 

 

また、サントリーホールディングスの新浪社長も、現在の円安は行き過ぎており、「是正が必要なレベルになってきている」と述べました。

そして、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井会長も、円安について「当社に対してだけでなく、日本にとっていいわけない」と述べました。

 

 

 

そのような中、日本、米国、韓国は、米ワシントンで初の財務相会合を開催しました。

会合後に発表した共同声明では、為替市場の動向について「最近の急速な円安・ウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識する」と表明し、3カ国で「引き続き緊密に協議する」と強調しました。

 

 

 

さて、このように見ていくと、一昔前は「円高が悪い」「円安が良い」という論調がありましたが、当時から日本全体で見れば、円高の方がいいのは明らかで、自国の通貨(円)が安くなる(価値が下がる)ことを喜ぶというのは、どう考えても「健全」とは言えなかったと思います。

 

 

 

そして、日本全体で見れば、円高の方がいいのは明らかな状況の中、日本の中の一部の人達だけが「アベノミクスだ!」「円安だ!」と喜んでいたわけですが、その結果、つまり当然だと思われる結果として、最近は以下のようなニュースも報じられました。

 

 

 

 

 

【日本の若者、自国の将来「良くなる」15% 米英中など6カ国中最低】

 

 

 

【高賃金求め海外へ出稼ぎ、「ワーホリ」人気が示す若手人材の日本離れ】

 

 

 

 

 

このように、日本の若者が日本の将来に希望を持てなくなり、社会に閉塞感を抱き、賃金が安くて稼げない日本を離れ、出稼ぎ目的で海外へ行き始めているのが現在の日本です。

 

 

 

したがって、時事通信が411日に【内閣支持16.6%、過去最低更新 裏金処分「軽い」5割超】だと報じたのも、当然の結果のニュースだと思いますが、なぜ、これほどまでに、日本は衰退に陥ってしまったのでしょうか?

 

 

 

この答えについては、衆議院議員で元総務大臣の原口氏も言っていましたが、「日本は米国の傀儡国家(日本は米国の手先となって思いのままに利用されている国家)」「日本の官僚は、日本の議会ではなく、米国を向いて行政をしている」ということに尽きると思います。

 

 

 

つまり、米国を利することばかりやってきた結果が今の円安であり、日本が衰退に陥った原因だと思います。

 

 

 

そのような中、今月は岸田首相が訪米したわけですが、リーマン・ショックやトランプ前米大統領誕生を予言して的中させた副島隆彦氏は、次のように述べていました。

 

 

 

 

 

・今回の岸田訪米で、米国に払った(貢いだ、取られた)カネは、9兆円(600億ドル)である。

 

 

 

・兵器産業であるレイセオンや、ロッキード・マーチンや、ボーイングや、マグダネル・ダグラスやジェネラル・ダイナミックス社たちに、お金を払わないと、ウクライナに向けて、兵器を出荷出来ない。それを日本のカネで、軍需産業に払って、それでウクライナ政府に米国製の兵器とミサイル、弾薬を引き渡すことが出来る。それが9兆円だ。

 

 

 

・なぜ国際為替市場で、1ドルが150円から、153円になったか。それは、この2週間ぐらいの間に、日本政府が、手持ちの円(自国通貨だからいくらでも刷れる)を市場で売って、それをドルに替えて、それを米財務省の口座に振り込む。5兆円ぐらい売れば、為替が3円ぐらい円安にビューンと動く。これで計算が合う。

 

 

 

・円安を止める介入どころか、日本政府は、さらに円を売ってドルを買って、米国政府に差し出しているのだ。まったくもって、「持っていけ、ドロボー」の世界だ。

 

 

 

 

 

このように、今の円安や日本が衰退に陥った原因を考えた時に、原口氏や副島氏の言っていることが最も腑に落ちると、個人的には思っています。

 

 

 

では、今後もずっと円安が続くのかというと、冒頭で述べたように、今の日本政府には強い円高圧力がかかっている(円高を求める声が高まっている)ので、いったん「為替介入」で、円高に修正されると考えておいた方がよいでしょう。

 

 

 

実際、【為替介入を容認 過度の市場変動なら―IMF幹部】といった報道もあり、IMF(国際通貨基金)も、為替の変動が激しい場合には為替市場への介入が「適切になる」と、為替介入を容認した形となっています。

 

 

 

ただし、日本が米国に貢ぐという基本スタンス、日銀が緩和(マネーのジャブジャブ)と言っては円安に誘導し、財務省が口先介入や為替介入で円高に修正するという近年の「お決まりのパターン」を考えれば、仮に円高に修正されたとしても、遅かれ早かれ再び円安へと動く可能性があります。

 

 

 

そして、今後も、この「お決まりのパターン」を繰り返すのではないでしょうか?

 

 

 

したがって、相場においては、ロング(買い建て)の高値掴み・ショート(売り建て)の安値掴みには気を付けるべきで、上昇トレンドや下落トレンドに気を付けつつ、安く買って高く売ることを心掛けるべきだと思います。

 

 

 

また現在、中東情勢が緊迫化しており、予断を許さない状況となっています。

先週末は、これが原因で、相場も荒れました。

 

 

 

 

「いったい何が真実なのか?」というくらい、各種報道も錯綜していますので、相場においては、引き続き慎重に取り組むようにしましょう。