裏読み(2024/4/15)

 

 

 

最近の相場は、かつてないほど「裏読み」が必要になってきたと思います。

 

 

 

例えば、先週は「3月米CPI(消費者物価指数)」が発表されましたが、FX会社等では事前に以下のような「注意喚起」が出ていました。

 

 

 

 

 

【重要】3月米消費者物価指数(CPI)発表(4/10)に伴う相場変動・スプレッド拡大等の可能性について

 

 

 

米消費者物価指数(CPI)(4102130)に伴う相場急変動にご注意ください

 

 

 

 

 

つまり、3月米CPI(消費者物価指数)が重要な経済指標の発表であるからこそ相場も「荒れやすい」ということで、FX会社等では事前に「注意喚起」が出ていたのですが、そのような状況下で報じられたのが次のニュースです。

 

 

 

 

 

JPモルガンなども頻繁にやりとり、米CPI巡り―BLSエコノミスト】

 

 

 

 

 

これは、どういうことかというと、BLS(米労働統計局)のエコノミストが、最近数カ月の間に米CPI(消費者物価指数)の詳細に関する問い合わせに何度も応じていたそうで、問い合わせをしていたのがJPモルガン・チェースやブラックロックといったウォール街の主要プレーヤーだったというニュースです。

 

 

 

つまり、一言で言うと、相場の「公平さ」に疑念が生じているのです。

 

 

 

そのような中、対話型AI(人工知能)として、世界を席巻している「ChatGPT」に「相場の世界は公平なのか?」と尋ねると、以下のような回答が返ってきます。

 

 

 

 

 

・大手金融機関やヘッジファンドなどの巨大な投資家が市場を動かす力を持ち、情報やリソースにアクセスしやすい一方で、個人投資家や小規模な取引者にはそのようなリソースが限られているという批判があります。

 

 

 

・インサイダー取引やマーケット操縦などの不正行為が相場の世界に存在する可能性もあります。

 

 

 

・総括すると、相場の世界が完全に公平であるかどうかは明確ではありません。市場の構造や参加者の行動によって、公平性に影響を与える要素が存在します。しかし、規制や透明性の向上などの取り組みにより、市場の公正性を確保するための努力が続けられています。

 

 

 

 

 

結局のところ、シンプルに「相場の世界は公平でない」と考えるべきでしょう。

そして、そうであればこそ、相場に取り組むにあたって「裏読み」や「慎重さ」が求められます。

 

 

 

そのような中、先週は「1ドル=153.39円」と、ドル円は34年ぶりの高値を付けました。

これも3月米CPI(消費者物価指数)の結果を受けてからのことでした。

 

 

 

前述のように、JPモルガン・チェースやブラックロックといったウォール街の主要プレーヤーが「事前に」3月米CPI(消費者物価指数)の結果を知っていたとしたら「インサイダー取引」になるわけですが、かなり大きく儲けることができたのではないでしょうか?

 

 

 

一方で、3月米CPI(消費者物価指数)の結果が発表される前に、以下のようなニュースも報じられました。

 

 

 

 

 

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI待ち 岸田首相訪米中は介入リスク低いとの見方】

 

 

 

 

 

そして、3月米CPI(消費者物価指数)の結果が発表された「翌日」には、以下のようなニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

【円安進行の背景に日米首脳会談? 投機筋仕掛けた可能性】

 

 

 

 

 

これら2つのニュースは要するに、「日米トップによる首脳会談が開かれているタイミングで日本側が為替介入に踏み切るのは難しい」との見方があったということで、そのことに高をくくった投機筋が「円売りを仕掛けた」可能性が指摘されているということです。

 

 

 

もはや、どこまでも「マネーゲーム」といった感じがしますが、岸田首相が帰国する今週以降は、為替介入の可能性が高まると思っておいた方が賢明でしょう。

 

 

 

しかし、日銀が緩和(マネーのジャブジャブ)と言っては円安に誘導し、財務省が口先介入や為替介入で円高に修正するという、近年の「お決まりのパターン」がありますが、そんなことを繰り返してきた中で、現実の日本は、ずいぶんと「滅茶苦茶」になってきました。

 

 

 

例えば、最近のニュースからも以下のようなことが分かっています。

 

 

 

 

 

・今や日本は、旅行代も食べ物も「フィリピン」より安い。

 

 

 

・日本人の実質賃金は「23カ月連続で減少」している。

 

 

 

・日銀が行った個人の生活意識に関する調査で現在の物価について、1年前と比べて「上がった」と回答した人の割合は95%となった。

 

 

 

・昨年の全国倒産件数が、一昨年に比べて31.6%増えた。

 

 

 

・新型コロナウイルスの感染拡大期に生活困窮者らの暮らしを支えるための「新型コロナ特例貸付」で、昨年の返済額は予定された金額の37%にとどまり、残り63%は「滞納などで未返済」となった。

 

 

 

・日経平均株価は39523円(412日時点)と、史上最高値圏にある。

 

 

 

 

 

これらは、まともに考えれば「滅茶苦茶」なことです。

 

しかし、政治に現状の改善を期待するのは無駄でしょうから、相場においては冒頭で述べたように、様々なことを「裏読み」しながら、引き続き慎重に取り組んでいきましょう。