あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、2024年が始まりました。
今年は激動の幕開けとなり、能登半島の地震や羽田航空での衝突事故など、大変なスタートとなりました。
ところで今年は辰年ですが、辰は十二支の中で唯一、実在しない架空の動物です。
そういう意味でも、今年は特別な一年となるのでしょうか?
【日経平均上昇率、辰年は十二支で首位「辰巳天井」格言も】
上記は、昨年の終わり頃に報じられた日経新聞のニュースです。
相場には「辰巳(たつみ)天井」の格言もありますが、1950年以降の日経平均株価の年間騰落率において、辰年の上昇率は28.0%と首位だそうです。
ちなみに、前回2012年(辰年)は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を手掛かりに、日経平均株価が22.9%上昇しました。
そして、バブルまっただ中の1988年(辰年)は歴史的な好況に沸き、日経平均株価は初めて3万円の大台に乗せました。
そのような中、2024年末の「ドル円相場」「日経平均株価」予想ということで、大手金融機関は以下のような予想を出しています。
【2024年末の「ドル円相場」予想】
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 138円
・野村証券 135円
・みずほ証券 125円
・大和証券 123円
【2024年末の「日経平均株価」予想】
・SMBC日興証券 3万9000円
・野村証券 3万8000円
・JPモルガン証券 3万5000円
・大和証券 3万9600円
上記を見ても分かりますが、今年は「円高・株高」の予想が多いようです。
一方、相場予想とは別の話になりますが、世間を騒がせた「ロッキード事件」が1976年(辰年)で、同じく「リクルート事件」が1988年(辰年)であることから、個人的には、辰年である今年も「ひと波乱」あるような気がしています。
特に、今騒がれている「自民党裏金問題」は、イギリスの公共放送「BBC」でも、全世界に向けて以下のように報じられました。
・日本には、裏金で利益を得ている人が大勢いる
・日本政治の数十年に一度の危機
その上、日本国内でも以下のようなニュースが報じられました。
【紀藤正樹氏「議員辞職、逮捕事案もあり得る事態」 自民党安倍派の政治資金パーティー問題に言及】
【パー券裏金事件 政党助成と両取り「リクルートより最悪」 自民内寒波状態】
統一教会の問題に詳しく、統一教会と長年戦い続けた紀藤正樹弁護士は、今回の自民党裏金問題について、「金額規模から観て議員辞職、逮捕事案にまで発展もあり得る事態となっている」と述べています。
また、リクルート事件の当時を知る政界関係者によると「リクルートを超えた史上最悪な内容」とのことで、自民党内の士気も寒波並みに低下しているそうです。
したがって、今回の自民党裏金問題は、個人的には「大物議員の逮捕や起訴があるのではないか?」と思っています。
そのような中、相場は、同じ辰年でも2000年の日経平均株価の年間騰落率は「マイナス27.2%」となっており、昨今の世界の景気、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・ハマス紛争など、地政学的な緊張が高まっていることも考慮しますと、2000年の時のように、相場の「ひと波乱」を警戒する必要があると思います。
実際、昨年11月には以下のような報道もありました。
【危機の種は至る所に、ウォール街重鎮が警告-香港での投資サミット】
【次の金融危機、地政学が引き金か 大手行トップが指摘】
上記のように、現実は決して楽観できるような状況ではないと思うのですが、例えば米国の利下げ観測を背景にNYダウが史上最高値を更新するなど、市場は完全に浮かれているように思います。
そして、そのことを報じたのが以下のニュースです。
【米利下げ見通しに浮かれるウォール街、厳しい現実は見て見ぬふり】
要するに、厳しい現実は見て見ぬふりで、ウォール街は米利下げ見通しに浮かれているということですが、そんな「米利下げ」こそが危険なのだと懸念する専門家もいます。
ちなみに、金融用語には「ブラック・スワン」という用語があって、予想外の出来事が発生すると、起こったときの衝撃が大きい事象を意味しますが、著書『ブラック・スワン』(ダイヤモンド社)で2008年の金融危機を予言したナシーム・ニコラス・タレブ氏は、「米利下げ」こそが危険なのだと言っています。
というわけで、相場においては今年を素晴らしい一年にするためにも、引き続き各種報道に注意を払いつつ、慎重に取り組んでいきましょう。