AI(人工知能)、フェイクニュース(虚偽報道)、ディープフェイク(偽画像、偽動画)、戦争、マネーゲーム、金融危機・・・
これらは、どんな未来をもたらすのでしょうか?
【AI想定より速く人知超える公算、危険性語るためグーグル退社=ヒントン氏】
上記は先日報じられたニュースですが、AI研究の第一人者、AIの「ゴッドファーザー」とも言われるジェフリー・ヒントン氏が、想定より遥かに速くAIが人間よりも賢くなる可能性があると気づき、AIの危険性について自由に話すためにグーグルを退社したそうです。
また、これに先立ち、ヒントン氏は米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、AIが説得力のある偽の画像や文章を作成する能力を持ち「何が真実なのか分からなくなる」世界を作り出すことを懸念しているとし、「悪用をどのように防げばいいのか見当がつかない」とも述べました。
そして、このことを裏付けるようなニュースも報じられています。
【画像交換技術「ディープフェイク」が大流行、検出ツール開発は後手に】
現在、インターネット上では「ローマ教皇フランシスコ」の偽物画像が広く出回っています。
しかし、それは本物と全く見分けがつかないレベルとなっています。
それもこれもAIが非常に高性能になっているからですが、私達は偽物画像を識別できなくなっているのです。
そしてこれは「偽物動画」についても同様で、オバマ元米大統領、昨年死去したエリザベス女王、ペロシ前米下院議長など、広く知られている「偽物動画」もありますが、これらも本物と全く見分けがつかないレベルとなっています。
そうかと思えば、現実の「偽者」のニュースも報じられました。
【パウエルFRB議長、いたずら電話の被害-偽ウクライナ大統領と会話】
なんと、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が1月、ウクライナのゼレンスキー大統領を名乗る人物から電話を受け、インフレ見通しやロシア中央銀行などについて質問に答えたそうです。
FRBの報道官によると「機密や部外秘の情報は一切話していない」とのことですが、それに反して、インターネット上では「パウエル議長はさらに2回の利上げを計画しており、かなりの期間、このレベルでレートを維持する計画であることを認めた」との情報が出回っています。
そのため、今やFRBの安全性まで疑問視されているのです。
このように、世界がカオス(ぐちゃぐちゃ、理解に苦しむようなおかしな状態)になりつつある中で、飛び込んできたのが以下のニュースです。
【ファースト・リパブリック、米史上2位の大型銀行破綻に-SVB抜く】
既に大きく報道されていますが、米銀のファースト・リパブリック・バンクが破綻しました。
わずか1カ月余り前には、SVB(シリコンバレー銀行)が破綻し、米史上2番目の規模の銀行破綻と報じられましたが、今回はそれをも超える規模の破綻となりました。
ちなみにファースト・リパブリック・バンクは、S&P500の構成銘柄にも入っていました。
どうやら、米金融大手のJPモルガン・チェースがファースト・リパブリック・バンクを買収するそうですが、なんとも危うい感じがします。
なぜなら、少し前には、ウォール・ストリート・ジャーナルが、同様のリスクのある銀行が200行近くもあると報じましたし、相次ぐ米銀破綻は、FRBの利上げが要因となっているからです。
ちなみに直近の半年で、以下のようなことも起こっています。
・米銀パックウェスト・バンコープが71%の株価下落
・米銀メトロポリタン・バンク・ホールディング・コーポレーションが66%の株価下落
・米銀ウェスタン・アライアンス・バンコープが54%の株価下落
本当に、これらの米銀も大丈夫なのでしょうか?
その上、米国は債務の問題も危機的状況になっており、以下のような報道もありました。
【ドラッケンミラー氏、米債務状況「10年前に想像したよりずっと悪い」】
世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロス氏の右腕として知られた人物で、著名投資家でもあるスタンリー・ドラッケンミラー氏は、米国の債務状況に懸念を示しました。
ドラッケンミラー氏は「過去10年はホラー映画を見ているようだった」と語っています。
そしてこれは米国が過去10年、いかに滅茶苦茶な国家運営をしてきたかということでもあります。
実際、イエレン米財務長官も「6月1日にも資金が枯渇する」と言っていますし、今後はリーマン・ショックを超えるような金融危機が起こっても不思議ではありません。
ウクライナ戦争においても、米欧州軍の司令官を務めるクリストファー・カボリ米陸軍大将が、米連邦議会の下院で、「マスコミによって実態が大きく歪められているが、ロシアが勝っている」と証言しています。
要するに、このような全体像から言えるのは、今の世界は「危うい」ということなのです。
相場は、リスク管理を重視しながら取り組んでいきましょう。