米国の分断が深刻化しています。
政治的には民主党と共和党で激しく対立していますし、その他にも経済的格差による分断もあれば、人種差別や宗教差別、LGBTQの権利などの問題もみられます。
【トランプ氏起訴、世論二分 支持者団結も深まる分断】
【[社説]米国分断の深まりが心配だ】
【トランプ氏を渇望する白人の「喪失感」 アメリカの分断はどこへ】
【分断深まる米議会 世界のリスク懸念に】
【アメリカの分断は「ますます悪化」 トランプ氏支える白人の「感情」】
上記のように、最近は米国の分断に関するニュースが相次いでいますが、特にトランプ前大統領の起訴によって、分断はより一層深刻化しているようです。
民主党支持者は起訴に賛成、共和党支持者は起訴に反対している構図があります。
ところで2021年1月6日、米連邦議会が襲撃される事件がありました。
この事件についても、「悪いのはトランプ」「悪いのはペロシ前下院議長(民主党)」と、未だに激しい対立がみられます。
そのような中、内戦や政治暴力に関する著名な専門家、米カリフォルニア大サンディエゴ校のバーバラ・ウォルター教授は「このままいくと、米国は内戦に至りかねない」と警告を発しています。
実際に、トランプ前米大統領は起訴される前に、自分が起訴されれば「死と破壊」を招くと警告していましたので、予断を許さない状況です。
そして、このことを裏付けるかのようなニュースも出てきています。
【トランプ支持率、起訴後ますます上昇】
【トランプ支持者、数百人詰めかけ起訴に抗議 裁判所前で小競り合い】
【トランプ支持者数百人「起訴は不当だ」、反トランプ派も裁判所前に集結…激しい口論に】
【支持者と反対派が場外戦、NY 鉄柵で分断、互いを中傷】
【2024年に「アメリカで内戦」が発生しかねない理由】
では、このような状況を踏まえ、相場はどうなるのでしょうか?
AI(人工知能)の「チャットGPT」に、ドル高論者とドル安論者の意見を尋ねると、以下のような回答が得られます。
ドル高論者の意見:
・米国経済の回復が進むことで、ドル高が続く可能性がある。米国の成長率やインフレ率が高いことがドル高につながる。
・米国の金利が上昇すると、ドル高になる傾向がある。米国の金利は、経済の成長やインフレ率に応じて調整されるため、成長期には上昇する傾向がある。
・米国の政策の安定性やドルの国際的な需要が高まることで、ドル高になる可能性がある。
ドル安論者の意見:
・米国の財政赤字や債務残高の増加が進むことで、ドル安になる可能性がある。財政赤字や債務残高が高いと、ドルの価値が低下する傾向がある。
・米国の政治的分断が深まることで、ドル安になる可能性がある。政治的な不安定が高まると、ドルの価値が低下することがある。
・米国の経済成長率が低下し、金利が低いままであると、ドル安になる傾向がある。低金利は、投資家にとってドルの魅力を減らすため、ドル安につながる可能性がある。
上記を踏まえた上で先月、ウォール・ストリート・ジャーナルは【米国のコロナ死者数 なぜ止まらないのか 依然として1日当たり数百人が亡くなっている】と報じました。
要するに、依然としてコロナの問題も解決しない中、分断がより一層深刻化している米国で、はたして本当に経済が回復するのかという疑問があるのです。
このようなことを考えますと、「ドル安論者の意見」の方が、より説得力があるのではないかと個人的には思います。
そのような中、先週末、以下のようなニュースが報じられました。
【ドルはさらに大幅下落の可能性、年内120円も-為替予想首位のMPS】
イタリア第4位の大手銀行MPSは、ブルームバーグの「為替予想精度ランキング」で、今年1-3月期(第1四半期)の首位となったそうですが、同行の予想では、ドルは7-12月(下期)に他の通貨に対して最大5%値下がりする可能性があるとのことです。
その背景には、米国のリセッション(景気後退)を見込んでいるとのことです。
そして、円に対しては「1ドル=120円」になるとの予想です。
相場が常に合理的に動くわけではありませんが、上記は当たる可能性のある予想ですので、ドルの大幅下落のシナリオも念頭に置き、慎重に取り組んでいきましょう。