為替市場では、円相場が7か月ぶりに「1ドル=127円台前半」まで上昇しています。
今週は日銀の金融政策決定会合が開かれますが、金融政策が修正されるのではないかとの見方もあり、その場合は「1ドル=125円」を超えるとの見方もあるようです。
いずれにせよ、このような値動きは、ある意味では「予想の範囲内」と言えるでしょう。
一方で「2023年の相場」という観点で考えますと、暴騰・暴落・乱高下が必至と思われます。
それだけでなく、金融危機が起こっても不思議ではありません。
なぜなら、今の世界はカオス(混沌とした秩序のない環境で予測が不可能)だからです。
そして相場においては、今の世界がカオスと認識しておかなければ、いざ「暴騰・暴落・乱高下」や「金融危機」が現実となった際に、油断していると「大打撃」を受ける可能性があります。
そういうわけで、今回のコラムでは、今の世界がカオスと考えられる理由として、把握しておいた方がいいと思われることを以下に整理します。
・ロシア最大のスベル銀行が、金(Gold)を担保にした国際決済用仮想通貨を発行したが、世界の新興国・資源国のほとんどがロシアについた現状を考慮すると、今後は「ドルの覇権崩壊」が進んで混乱が生じることが懸念される。
・昨年(2022年)は世界の金利上昇が1985年以降で最大となり、世界の株式や債券の時価総額が約5900兆円も減少した。
・ディストレスト(経営破綻や経営不振で財務危機に陥った企業)に分類される債務が、世界全体で87兆4000億円に上っており、デフォルト(債務不履行)が相次ぐ恐れがある。
・米金融大手のゴールドマン・サックスが大規模な人員削減に着手し、3200人規模になった。
・昨年(2022年)は、米テック業界(ITなどのテクノロジーを駆使したビジネスを展開)において、各社の人員削減が15万人を超える高水準となった。
・米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク氏の資産が、テスラ株の不振などに伴い激減し、その損失額が「約24兆円」となり、ギネス記録に認定された。
・米ツイッター社を買収したイーロン・マスク氏が様々な真相を暴露しており、FBI(連邦捜査局)、CIA(米中央情報局)、メディアなどが行う「世論操作」を暴露し、その結果としてバイデン政権が誕生したことや、ワクチンの「安全神話」が生まれたことを明らかにした。
・(上記に続いて)米製薬大手ファイザーが、ワクチンに対する「正当な警告」を、ツイッター社に圧力をかけて消させていたことが明らかになった。
・コロナワクチンの副作用が、世界中で次々と公にされている。
・ロシアは「コロナは米国が主導で行ってきた生物兵器である」と主張している。
・米国で住宅購入が手控えられており、米20都市住宅価格指数が前月比で4か月連続下落となっている。
・中国でコロナ急拡大による死者続出が止まらず、毎日公表していたコロナ感染者・死者数の情報更新がストップしている。
・昨年(2022年)は、外国人投資家による中国株の「買い」が過去最低となった。
・WHO(世界保健機関)は、日本のコロナ感染者数が「世界最多」であることを公表した。
・ほとんどの人がワクチンを打ち、マスクもしている日本でコロナ感染者数が「世界最多」ということは、「ワクチンもマスクも効果がないのでは?」という話になってきている。
・日銀短観によると、製造業の景況感が「4四半期連続」で悪化している。
・コロナ禍で収入が減った世帯に特例で生活資金を貸し付ける「特例貸付」において、3割が返済不能となり、2108億円の免除が決定された。
・食料品の相次ぐ値上げなどが要因となり、東京23区の消費者物価指数が「40年8か月ぶり」の高水準となった。
・日本では、物価上昇を加味した「実質賃金」が3.8%減少(前年同月比)し、8年半ぶりの下落幅となった。
・ミンスク合意(2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡る和平の合意)について、ドイツのメルケル元首相と、フランスのオランド元大統領が「ウクライナの軍備を増強するための時間稼ぎだった」と発言し、欧米諸国がロシアを騙していた構図が明らかになった。
・ウクライナのレズニコフ国防相が「我々はNATO(北大西洋条約機構)のために戦っているのだから、もっとNATOは支援しろ」と発言し、ウクライナ戦争は実質的には欧米諸国とロシアの戦争であることが明らかにされた。
・ウクライナに供与した武器の一部が中東や東欧の「闇市場」に横流しされていると言われる中、現在最も多く流れ込んでいるのがメキシコの「麻薬カルテル」と言われている。
・バイデン米大統領が副大統領時代の「機密文書」を外部に持ち出していた問題(個人事務所から見つかった)で、重大犯罪になる可能性もある中、ガーランド司法長官は、政権から独立して捜査を担う特別検察官を任命した。
・国際的な「景気の先行指標」とされるバルチック海運指数が、過去最大の暴落を記録した。
さて上記のようなことを踏まえますと、今の世界は間違いなくカオスと言えるでしょう。
そしてカオスだからこそ、相場においては「暴騰・暴落・乱高下」や「金融危機」を想定しておくことが重要です。
具体的には、例えばドル円相場なら「150円超え」や「100円割れ」のいずれになっても問題のないような戦略を採用すべきで、それは「徹底したリスク管理」と「トレンド重視」の戦略となります。
今後の相場においては、平時ではなく「有事」という認識を持って取り組んでいきましょう。