現在の為替相場の「様相」を考察します。
まず、ロシアのプーチン大統領ですが、先日ウクライナ東・南部4州の併合を宣言する演説を行いました。
その演説内容が非常に注目を集めました。(以下)
・西側諸国は、ロシアを含めて「世界は永遠に自分達の命令を聞かなければならない」と決めた。これは彼らの「新たな植民地主義」である。
・NATOは東方不拡大への約束を破った。(ロシアの国境にまで迫る)
・米国は世界で唯一核兵器を2度使い、日本の広島と長崎を壊滅させた。
・米国は「日本・ドイツ・韓国」を同盟国と言いながら、それら国家元首のオフィスや自宅を盗聴しており、このことは世界中が知っている。また、米国は未だに「日本・ドイツ・韓国」を事実上占領している。
・要するに、米国は「世界の何十億もの人々、人類のほとんどの人々が持つ、自由と正義、そして自分達の未来を決めるという当然の権利」を妨害しているのである。
・ウクライナ戦争に関して、世界のほとんどの国がロシアと協力した(「対ロシア制裁だ!」と言っている西側諸国は約12億人、逆に残りの約66億7500万人はそうではない)ことは、世界のほとんどの国が西側諸国に「反抗」したということであり、これは西側諸国も予想していなかったことだろう。
さて、上記のような演説内容でしたが、個人的には「その通り!」と思います。
なぜなら「今の世界が、なぜ今の世界なのか?」と考えた時に、米国を除外することは不可能だからです。
一言でいえば、これまでずっと米国に世界が振り回されてきたのが、否定のできない「事実」です。
そして、少なくない専門家達が「プーチン大統領は、敵はウクライナよりもウクライナを支援している西側諸国、特に米国と英国を念頭に置いている」と指摘しています。
私もそうだと思います。
また、上記の演説を受け、第三次世界大戦を危惧する声も上がっていますが、米国と英国が「ロシアに宣戦布告したのも同然だ」という声まで上がってきました。
それは、ノルドストリーム(ロシアから欧州へ天然ガスを供給するパイプライン)が、何者かによって爆破され、ロシアが「米国と英国による犯行である」と断じたからです。
「米国と英国による犯行説」は、以下のような理由から信憑性が高いと思います。
・(米国に事実上占領されている)ドイツがロシアと秘密交渉を開始しており、交渉が妥結すれば、ノルドストリームを通じて、ロシアからドイツへ天然ガスの供給が再開される予定だった。
・今年の2月に、米国のバイデン大統領が「ロシアがウクライナに侵攻すれば、ノルドストリーム計画を終わらせる」と発言していた。
・ノルドストリームが爆破された後、米国が天然ガスの価格を引き上げ、販売量を増加させた。
・ロシアは「米国と英国の戦艦がパイプラインの爆破工作を行った証拠を握っている」と言っている。
いずれにせよ、ノルドストリームの爆破によって、欧州がエネルギー危機に陥るのは必至とみられているようです。
そのような中、日本では「北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した」ことがニュースになっています。
しかし、日本では「肝心なこと」がほとんど報じられていません。
それは、「北朝鮮がなぜミサイルを発射するのか?」ということです。
実は、最近頻繁に「米国主導」で韓国や日本も巻き込んで、北朝鮮を想定した共同軍事演習を行っているのです。
特に、今年の8月から9月にかけて実施された米韓合同軍事演習は、「金正恩の斬首作戦」と銘打って行われました。
このような軍事演習が繰り返し行われていれば、さすがに北朝鮮も黙っていられないだろうということなのです。
さて、このように、「今の世界が、なぜ今の世界なのか?」と考えた時に、必ずと言っていいほど「米国」の影が見え隠れします。
そして、そんな米国の目的を考えますと、米軍需産業の利益追求と「基軸通貨ドル」の維持にあると考えられます。
FRB(米連邦準備理事会)が大幅利上げを連続で行うのも、ロシアを敵視するのも、ロシアの通貨「ルーブル」を潰したいからだと考えられます。
さらに、ロシアの通貨「ルーブル」を潰すために、ルーブルの価値を裏付けている金(Gold)を下落させていると考えますと、現在の「ドル高」や「金安」の説明も付きます。
ただし、最近【資産100億円を持ち込み・・・自国の未来を見限った中国上流層が続々と日本に逃げる怪】という報道がありましたが、様々な「事情」が分かっている中国の上流層は、米国でなく日本に逃げ込んでいるようです。
逆に、米国に関して言えば、少なくない専門家達が「ドルの大暴落」に警鐘を鳴らしています。
中には、「ドルの大暴落は確実だ」と言い切るような専門家までいます。
要するに、現在の「ドル高」「円安」も、それが続くのは「時間の問題だ」と考えられるわけです。
相場においては、暴騰・暴落等の「乱高下」に、今後も注意をしながら取り組んでいきましょう。