違った見方

 

 

 

「報道の自由度ランキング」というものがあります。

メディアの独立性、多様性、透明性などを図る国別ランキングです。

2021年の最新版では、日本は67位となっていました。

 

 

 

「日本は先進国」ですが、報道の自由度ランキングを見る限り、日本の報道を鵜呑みにすることは、事実を「歪んで」解釈することに繋がると思います。

 

 

 

ちなみに、大手新聞社やテレビ局などの主流メディアに対する代替的なメディアを「オルタナティブ・メディア」と言いますが、主流メディアとは報道内容が大きく異なっています。

 

 

 

そして、オルタナティブ・メディアに加え、様々な識者やジャーナリスト達が発信する情報(書籍も含む)にも触れますと、日本の報道が伝える「事実」とは異なる「事実」が見えてくることがあります。

 

 

 

そこで今回は、世界中で注目が集まっている「ウクライナ情勢」について、日本の報道とは「違った見方」について考え、その上で今後の相場対策についても考えてみたいと思います。

 

 

 

さて、ウクライナへの軍事侵攻を受けて、世界各国がロシアへの経済制裁に乗り出しています。

 

 

 

ここで一度、以下のことについて、じっくりと考えてみてください。

 

 

 

 

 

【米国とNATO(北大西洋条約機構)は、これまで戦争を始めても制裁されたことがなかったが、それはなぜなのか?】

 

 

 

 

 

それは、米国とNATOが、いつだって「正義の側」にいるからでしょうか?

しかし、さすがにその説明には無理があるように思えます。

答えは、いつだって米国とNATOを「正義」とし、敵対する国を「悪」としてきたからではないでしょうか?

 

 

 

今回のウクライナへの軍事侵攻は、主流メディアの報道では、ロシアが「悪」とされていますが、以下のようなロシアの「言い分」もあります。

 

 

 

 

 

・プーチン大統領は、「NATOは、これまで1インチも東に拡大しないと約束し、我々を騙した」と述べた。

 

 

 

・ウクライナには、米国の軍事顧問団が常駐していた。

 

 

 

・米国は、バイデン政権になってからも65000万ドルの支援を提供しながら、ウクライナ軍への訓練を加速させてきた。

 

 

 

・ロシアは、自国の国境に近い場所で、米国とウクライナが「細菌兵器の研究」を行っていることを「深刻な脅威」と位置づけ、国連に対しても調査を要請していた。

 

 

 

・ウクライナは核兵器を入手しようとしていた。

 

 

 

 

 

さて上記のようなロシアの「言い分」に耳を傾けますと、プーチン大統領は、ウクライナでの軍事作戦について「ロシアには別の行動をとるチャンスが残されていなかった」と述べたわけですが、話の筋は通っているように思えます。

 

 

 

一方で、ロシア経済については、世界各国がロシアへの経済制裁に乗り出したことで、主流メディアは「ロシア経済は大打撃」といった論調で報じていますが、このことについても「別の見方」があります。

 

 

 

その「別の見方」を以下に記します。

 

 

 

 

 

・ロシアの通貨「ルーブル」が暴落すると、本当に困るのはロシアよりもこれまでの巨額投資が大損になってしまう、ドイツ、フランスなどの欧州諸国となる。

 

 

 

・ロシアから「やれるものならやってみろ」と開き直られたら、これまでの投資資金が大損になってしまう西側金融資本は耐えられるのかどうか疑問であり、ロシアは「通貨による自爆テロ」をやりかねない可能性がある。

 

 

 

・天然ガス供給の46%をロシアに頼っている欧州だが、これが止められたらどうするのか?

 

 

 

2015年にも、ロシアは欧米諸国により経済制裁をされたが、当時、モスクワのメガバンクであるVTB銀行は中国元で資金調達を行った。要するに、中国はロシアの最大の貿易相手国なので、ドルやユーロがなくても、元さえ手に入れば、ロシアは耐えられる可能性がある。

 

 

 

・以前から、ロシアはインドとも相互の自国通貨で決済するシステムを取り入れており、引き続き継続することで合意している。

 

 

 

 

 

このように見ていきますと、主流メディアの報道である「ロシア経済は大打撃」とは、また違った様子が見えてきます。

 

 

 

むしろ、ロシアを「きっかけ」として、欧米諸国等の西側諸国の方が、金融経済危機に巻き込まれる可能性すらあります。

さらにそれだけではなく、ウクライナから数百万人が欧州に脱出するとも言われており、ただでさえ欧州は難民問題を抱えているわけですから、それこそ「大打撃」になるのではないかと思われます。

 

 

 

かつて、1998年になりますが、ロシア発の「ロシア通貨危機」というものがあり、当時世界一のヘッジファンドと言われていたLTCMが一週間で破綻しました。

そして、LTCMに莫大な融資を行っていた米大手金融機関も軒並み破産の危機に直面しました。

 

 

 

先日、米金融大手JPモルガンのCEOは、SWIFT制裁(国際銀行間通信協会の国際決済ネットワークからロシアの銀行を排除)が「意図せぬ結果」を招く恐れがあると警告しました。

 

 

 

その「意図せぬ結果」とは、1998年の「ロシア通貨危機」のような展開となり、当時はドル円がほんの数日で30円近くも暴落(円高に振れた)しましたが、そのような大荒れ相場の再来となることなのかもしれません。

 

 

 

今後は大荒れ相場を想定し、慎重に行動することが必須と言えるのではないでしょうか。

 

引き続き頑張りましょう。