相場の世界には「押し目買い」や「戻り売り」があります。
「押し目買い」とは、相場が上昇している局面で、一時的に相場が下落したタイミングを見計らって「買い」を入れることです。
一方で「戻り売り」とは、相場が下落している局面で、一時的に相場が上昇したタイミングを見計らって「売り」を入れることです。
そんな「押し目買い」や「戻り売り」は、しばしば「ニュース」にもなっています。
例えば、以下のような「ニュース」です。
【東証10時 下げ一服し500円安 押し目買いが下支え】
【JASDAQ平均は反発、押し目買い優勢も上げ幅は限定的】
【<東証>ソニーGが一時5%高 大幅安の反動で押し目買い】
【来週のFOMCに向けてドルは再び戻り売りに押されるとの見方も=NY為替】
【東証10時 やや伸び悩む 戻り売りの水準意識 安川電は上げに転じる】
【今日の株式見通し=一進一退、米ハイテク株高と戻り売りが綱引き】
上記のように、相場では「押し目買い」や「戻り売り」が、常に意識されていると言っても過言ではありません。
しかし、そんな「押し目買い」や「戻り売り」は、後から「正解」が分かるものです。
例えば、ドル円を例に説明しますと、1年前、ドル円は102.59円を付けていました。
ところが今(2022年1月22日時点)は、ドル円は113.69円です。
つまり、この1年間で見ますと、ドル円は「押し目買い」が「正解」となりやすかったことが分かります。
ただし、この1年間においても、昨年の4月、7月、11月は、ドル円は下落で終わりました。
したがって、この1年間においても、昨年の4月、7月、11月に限っては、ドル円は「戻り売り」が「正解」となりやすかったということなのです。
要するに、単に「押し目買い」や「戻り売り」と言っても、以下の2点の「観点」が重要です。
1、時間軸
2、トレンド
上記を噛み砕きますと、以下のようなことを常に考えておくべきだということです。
・この1年間は、買い優勢か? 売り優勢か?
・この1カ月間は、買い優勢か? 売り優勢か?
・この24時間は、買い優勢か? 売り優勢か?
つまり上記のように、様々な「時間軸」と、その「時間軸」における「トレンド」を意識した上で、「押し目買い」や「戻り売り」についても考える必要があるのです。
ところで、本コラムでも度々お伝えしている「トレンド・イズ・フレンド」という相場格言があります。
「トレンドに乗れ」「トレンドに逆らうな」といった意味になります。
問題は、その「トレンド」ですが、この1年間は「買い優勢」だけれども、この1カ月間で見れば「売り優勢」といったように、見る「時間軸」によって、トレンドがバラバラになるケースが多々あることです。
そのような中、複数の「時間軸」について考えて、相場を分析する手法を「マルチタイムフレーム分析」と言いますが、一般的に複数の「時間軸」のトレンドが「一致」すれば「一致」するほど、そのトレンドは強いと言われます。
したがって、近年は「株高・円安」のトレンドが続いていますが、仮に「この1カ月間」「この1週間」「この24時間」が「株安・円高」のトレンドになっていたとしても、以下のようなことは考えておくべきなのです。
・「トレンド転換」と判断するには早すぎるかもしれない
・再び「株高・円安」のトレンドに戻っていくかもしれない
要するに、「トレンド・イズ・フレンド」は大事な考え方ですが、短期・中期・長期の「トレンド」が「一致」してこそ「強いトレンド」と言えるので、相場を大局的に見ることが大事なのです。
しかし前述のように、現実問題として、見る「時間軸」によって、トレンドがバラバラになるケースは多々あるものです。
そういう意味では、一般的にも言われていることでありますが、相場においては「忍耐」が重要です。
ただし、このような「マルチタイムフレーム分析」「トレンド」「押し目買い」「戻り売り」をしっかり意識しながら実践すれば、今後仮に「1ドル=200円」や「1ドル=30円」が現実になろうとも、それは大きな「チャンス」にすることができるでしょう。
引き続き、頑張りましょう。