「ファンダメンタルズかテクニカルか?」
相場の世界では、よくこのようなことが議論されます。
ちなみに、ファンダメンタルズ分析というのは政治、経済、ニュース等、市場に影響を与えるあらゆる事象を材料に分析を行う分析方法で、通貨を管理する中央銀行の金融政策も重視します。
一方、テクニカル分析とはずばり、過去の値動きをチャートで表して、そこからトレンドやパターンなどを把握し、今後の相場を予想します。
人によってファンダメンタルズ派とテクニカル派とに分かれますが、ファンダメルズ派はテクニカル派のことを「オカルト」と称したりします。
そんなファンダメンタルズ派で有名なのが、世界3大投資家の一人として知られるウォーレン・バフェット氏です。
ウォーレン・バフェット氏の有名な発言が、以下の発言です。
【チャートを上下逆さにしてみても答えが同じだった時に、テクニカル分析は機能しないと気付いた】
しかし、テクニカル派は「政治も経済もニュースも、すべて値動きに織り込まれているのだから、ファンダメンタルズ分析は不要」と切り捨てたりします。
そのような中、「ファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も、その両方が必要」だと考えるプロの投資家達もたくさんいます。
むしろ、こちらの考え方が「主流」だと思います。
ところが、近年の相場においては、そんなファンダメンタルズ分析が「ほとんど無視」されてきた現実があります。
その「根拠」はいくつも挙げることができますが、例えば、前述のウォーレン・バフェット氏が用いている、株の割高、割安を判断する「バフェット指数」は、「100」を超えると警戒水準とされ、リーマン・ショック時でさえ「116」であったのにもかかわらず、現在は「207」を付けています。
つまり、このこと一つとっても、近年の相場はファンダメンタルズ分析が「無視」されてきたと言えるでしょう。
長らく、このような「異常事態」が「放置」されているからです。
では、今後もファンダメンタルズ分析は「無視」して、テクニカル分析のみに従ってやっていけばいいのかというと、それも違うと思います。
なぜなら、何年間も「遠回り」したけれど、何年かぶりにファンダメンタルズ分析が「反映」され、今の相場が「大幅修正」となる可能性もゼロではないからです。
したがって、このようなことを考えますと、テクニカル分析に従ってやりつつも、ファンダメンタルズ分析のことも常に念頭に置いておくのが「正しいあり方」となるでしょう。
すると、必然的に、特にポジション量のコントロールなど、投資行動が「慎重に」なります。
特に米国株ですが、未だに「過去最高値」の更新を続けています。
いったい新型コロナウイルスのパンデミックは、どうなったのでしょうか?
もう完璧に落ち着いたのでしょうか?
そうではないことはニュース等からも「明らか」ですし、最近では、米国の「治安悪化」を伝えるニュースや「経済的困難」を伝えるニュースも頻繁に報じられています。
例えば、以下のような内容です。
・「高級ブランド店が大衆に狙われ、全ての商品が持ち去られる」という事件が全米各地で連日のように発生している。
・カリフォルニア州では、窃盗の検挙率が2年前の4割から今は2割に落ちている。
・カリフォルニア州では、2年前に比べて、店頭での窃盗や万引きの件数が5倍に増加し、警備員を雇うコストは50倍に増えている。
・民主党が与党をしている各州では、コロナワクチンを強制し、拒否する警官達を待機処分や解雇して警察の人員数を削減した結果、犯罪を取り締まる力が低下し、窃盗や殺人が検挙されずに放置されるケースが増加している。
・ロサンゼルス市警が、「ロサンゼルスは犯罪が多発しているから訪問しないように」と発言した。
・ロサンゼルスで犯罪が多発しており、超高級住宅地の住民達が逃げ出している。
・メガバンクや大企業等が、社員達に地味で目立たない服装で出勤するよう注意喚起している。
・大手調査会社「ギャラップ」の調査によると、アメリカの世帯の45%が「最近の物価上昇によって経済的困難を引き起こしている」と答えている。
さて、上記のような「現実」に向き合いますと、米国株の「過去最高値更新」に、なんら合理性がないことは明らかでしょう。
そして今後も、なんら合理性がない相場で稼ごうと思えば、極端なケース(例:ドル円が200円~300円、ドル円が30円~50円)になっても稼げるような戦略を採用する必要があります。
それは、テクニカル分析の中でも「トレンド重視」の戦略になります。
しかし、前述のように、何年間も「遠回り」したけれど、何年かぶりにファンダメンタルズ分析が「反映」され、今の相場が「大幅修正」となる可能性も考慮せねばなりませんから、特にポジション量のコントロールなど、投資行動は「慎重」であるべきです。
すると、「テクニカル分析の中でもトレンドを重視する、ただし慎重に取り組む」というのが導き出される結論となります。
引き続き、頑張っていきましょう。