先週の相場を振り返って、今後の相場対策を考えてみたいと思います。
まず先週の19日(月)、世界中で株価が大幅に下落しました。
【欧州株、軒並み大幅安 デルタ株拡大に懸念】
【ダウ平均は今年最大の下げ幅を記録 コロナ感染拡大を警戒】
【日米欧が同時株安 デルタ株に警戒感強まる】
上記のような報道が相次ぎ、報道にもあるように、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大が懸念され、株価が大幅に下落しました。
「景気回復が頓挫するのではないか?」「新たなロックダウン(都市封鎖)が実施されるのではないか?」との見方が強まったようです。
そして株価の大幅下落と歩調を合わせるように、為替市場では「円高」と「ドル高」が進みました。
ドル円: 109.99円 ⇒ 109.06円
ユーロ円: 129.90円 ⇒ 128.58円
ポンド円: 151.53円 ⇒ 148.44円
ユーロドル:1.1805ドル ⇒ 1.1751ドル
ポンドドル:1.3772ドル ⇒ 1.3571ドル
上記のような形で、円高とドル高に推移し、「有事の円」や「有事のドル」が、未だに健在と思われる展開となりました。
ところが、このような「株価の大幅下落局面」で、なんと「個人投資家達」が、株式を過去最大規模で購入したのです。
【個人投資家の株式購入、過去最大の21.8億ドル 19日の米株安で】
「デルタ変異株」「景気回復」「ロックダウン」の懸念も、全くお構いなしといった感じです。
「安くなったから買おう」ということで、ひたすら株を買ったということです。
そして、これをきっかけに今度は株価が上昇し、週末にはNYダウが終値で初の35000ドルを突破、S&P500とナスダックも上昇し、主要3指数そろっての「史上最高値更新」となりました。
また、それに歩調を合わせて、為替市場は再び「円安」「ドル安」へと戻りました。
さてこのような相場の展開に対して、専門家達は以下のような声を上げています。
【ここのところ、理屈に合わない相場展開が続いていて、なかなか理解が難しい】
【今の相場は何を指針にしていいのかが分からなくなっており、カオス状態になってしまっている】
【意味のある価格変動になっていない】
【まともに考えない方が良い】
【繰り返すが、あまりまともに考え過ぎない方が良い】
要するに、一言で言うと、今の相場は「滅茶苦茶だ」と言えます。
デルタ変異株の感染拡大が懸念されようが、景気回復の遅れが懸念されようが、新たなロックダウン(都市封鎖)が懸念されようが、株価は「史上最高値更新」となるわけで、為替市場もそんな株価に「歩調を合わせる」ので、専門家達の言う通り、たしかに「まともに考えない方が良い」のかもしれません。
ところで、そんな「まともに考えない方が良い」に関連するかもしれない話として、よく「オリンピックと株価の関係」が指摘されています。
いわゆるアノマリー(明確に根拠はないけれどもよく当たると言われる経験則)のことです。
【オリンピックで日経平均株価上昇】
1984年 ロサンゼルスオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数32個
2004年 アテネオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数37個
2012年 ロンドンオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数38個
2016年 リオオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数41個
1988年 ソウルオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数14個
1992年 バルセロナオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数22個
1996年 アトランタオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数14個
2000年 シドニーオリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数18個
2008年 北京オリンピック ・・・ (日本の)総獲得メダル数25個
つまり、アノマリー(明確に根拠はないけれどもよく当たると言われる経験則)としては、(日本の)総獲得メダル数が【30個】を超すと、日経平均株価が上昇する傾向にあるようです。
はたして、今回はどうなるのでしょうか?
そのような中、今回のオリンピックは、世界中で「強行開催だ!」と猛批判されています。
日本では、オリンピックの交通規制によって、一般車や物流・食にも影響が出ており、都内の一般道路などでは大渋滞となっているところもあるようで、市民の怒りの声も相次いでいるようです。
そして、首都圏の病床使用率は100%を超えているとのことで、医療関係者達からも非難の声が相次いでいるようです。
日経新聞は【未来につなぐ転機か、終わりの始まりか 東京五輪開催】と報じていました。
はたして、吉と出るか凶と出るか、いずれにせよ、投資家としては、少なくとも今の相場に関しては「まともに考えない方が良い」と思います。
「安くなったら買う」「高くなったら売る」「ポジション量に留意」に尽きると思います。