「古き良き時代」と「破滅の時代」

 

 

 

先週は、木曜日がNYダウ559ドル安、金曜日が469ドル安、日経平均株価も金曜日に1202円安となりました。

はたして、このまま株価が崩れていくのでしょうか?

 

 

 

まともに考えれば、現在はコロナ禍ですし、株価が上がっていく「道理」はありません。

 

 

 

しかし、昨年の316日にNYダウが一時3000ドルを超える「過去最大の暴落」を経て、その後は怒涛の勢いで株価が上昇し、何度も何度も史上最高値を更新しながら今に至っています。

日経平均株価も似たり寄ったりで、ひたすら株価が上昇しながら、30年ぶりの30000円台を付けました。

 

 

 

したがって、再び「道理」に反して、株価が上がっていく可能性は否定できません。

実際に、本日(31日)も日経平均株価は急反発しています。

 

 

 

また為替も、2週間前に【GDP(国内総生産)減少率が1709年以来311年ぶりの大きさ】と報じられたイギリスのポンドが、なぜかそれ以前からも最も買われる「通貨」となっていたところ、そこからさらに「買い」が膨らんでいき、先週は「わずか5分」で、1.4168ドルから1.4240ドルまで急騰する展開がありました。

この上昇は、ドル円に置き換えますと「わずか5分」で、106.00円から106.54円に急騰する値動きに相当します。

 

 

 

私は「何があったの?」と思い、ニュースをチェックしましたが、特段「明確な材料見当たらず」でした。

そして「明確な材料見当たらず」といえば、先週は以下のようなニュースもありました。

 

 

 

 

 

【米ゲームストップ株、午後の取引で急騰 明確な材料見当たらず】

 

 

 

 

 

上記はロイターのニュースですが、ニュースによると「午後の取引だけ」で、株価が「2倍強」にもなったとのことです。

ところが「明確な材料見当たらず」というわけです。

 

 

 

さらに「ゲームストップ株」といえば、【米素人集団、ヘッジファンドを締め上げ勝利】ということで、方々のメディアで報じられましたが、米素人集団(個人投資家達)が標的にした株(銘柄)がゲームストップ株になります。

 

 

 

ニュースによると、ヘッジファンドが被った損失は「2兆円」を超えたといいます。

 

 

 

そんなゲームストップ株で、米素人集団(個人投資家達)がヘッジファンドに勝利した際、ブルームバーグでは以下のニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

【ゲームストップ株が乱高下、ウォール街の目標株価の6倍近くに】

 

 

 

 

 

つまり、どういうことかと言いますと、世界の金融センター「ウォール街」で働く金融のプロ達がいて、彼らがせっせと分析して導いた「株価」と、現実の株価が「6倍も乖離する」という現象が起こったということです。

 

 

 

このように、あらゆる状況から今の全体像を見つめますと「今の相場は異常である」と断定できると思います。

 

 

 

一方、先週は朝日新聞が【今の株価はコロナバブル? 人工知能で値動き分析すると】と報じ、人工知能も「今の相場はバブル」と判断しているとのことでした。

しかし、わざわざ人工知能が分析しなくても、ごく普通の感覚を持った人達なら「コロナ禍で株高となること自体、おかしい」と気付きます。

 

 

 

ところが、そんな人工知能も近年は相場の世界に参戦してきており、「人工知能 VS 人工知能」となっている中で、コロナ禍を無視して、株を買い上げるような人工知能もあるわけです。

 

 

 

もはや「カオス(混沌)」です。

 

 

 

私は最近、映画「マネーモンスター」(2016年公開)を自宅で観ましたが、映画の内容を一言で言うと「ウォール街の闇を暴く」というものです。

ところが、私は「映画で描かれている内容が可愛く思えてしまうほど、現実の相場の世界の方がもっと穢いよ」と思いながら、映画を鑑賞していました。

なぜなら「映画が公開された2016年よりも2021年(現在)の方が酷くなっている」からです。

 

 

 

そのような中、やや強引かもしれませんが、頭の整理のために「古き良き時代」と「破滅の時代」に分けて、今の世界について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

【古き良き時代】

・一億総中流

・好景気で株高

 

 

 

【破滅の時代】

・たった8人の大富豪が、36億人分と同額の富を持つ

・不景気、コロナ禍でも株高

 

 

 

 

 

上記以外にも、たくさん浮かんでくると思います。

そのような中、さすがに地球が滅亡するということはないでしょうが、残念ながら、時代の流れは「古き良き時代」から「破滅の時代」の方向に「着実に」進んでいるように思えます。

そして「破滅の時代」から「古き良き時代」の方向に戻っていくことは無いように思えます。

 

 

 

すると、今後の採用すべき「投資戦略」は、先週のコラムで述べた通りの結論になります。

 

 

 

 

 

・「異常」な相場の流れに乗る一方、明日にも起こるかもしれない「リーマン・ショック超え」の「金融危機」に備えて、投資可能額の10分の1程度で投資する。

 

 

 

・あくまで「リーマン・ショック超え」の「金融危機」を想定し、忍耐強く、株の暴落、円高・ドル高、金高・銀高の相場観を持って取り組む。

 

 

 

 

 

いずれにせよ「今の相場は異常である」と認識した上で、取り組むことが大事です。

 

引き続き頑張りましょう。