【不動産ファンド、日本で1兆円投資】
先日、上記のような報道がありました。
外資系の大手不動産ファンドBGO(本社カナダ)が日本で大型投資に踏み切り、1兆円を投じるとのことです。
その理由も「日本が欧米に比べてコロナ禍の打撃が小さいから」ということだそうです。
そして「日本は今、世界で最も魅力的なマーケット」と述べているようです。
ちなみに、香港の大手投資ファンドPAGも日本の不動産に8400億円を投じるとのことで、やはりその理由も「日本が欧米に比べてコロナ禍の打撃が小さいから」ということだそうです。
さらに、約40兆円の巨大なグローバル投資運用会社、カナダのブルックフィールドも、日本への投資を「100億~200億ドル(約1兆540億~2兆1080億円)規模で考えている」と述べています。
ブルックフィールドはコロナ禍については言及していませんでしたが、「日本は世界で最も安定している。価値がある」と述べています。
さて「日本が欧米に比べてコロナ禍の打撃が小さいから」とのことですが、ここでコロナ禍に関して、欧米の気になる最近のニュースを以下に整理してみます。
【欧州】
・パリなどフランス都市に夜間外出禁止令、コロナ感染抑制で大統領発表
・欧州でコロナ再拡大、イタリア非常事態延長 ドイツ抑制策強化
・ドイツで1日当たり新規感染者が1万人超える恐れ ベルリン中心部も「リスク地域」に
・新型コロナ:ドイツ、10年ぶりに人口減少 移民流入急減で
・欧州各国で新たなコロナ規制、イタリアは集会の制限強化
・イタリア、自宅以外でのマスク着用を全国で義務化
・スペイン首都で非常事態宣言 欧州で第2波拡大
【イギリス】
・イギリス版Go To Eatが「コロナ感染拡大の一因に」、英首相認める
・イギリス 地域別に再びロックダウン 経済打撃を懸念
・イギリス、1日の新規感染1万人超える 検査拡大後で初
・英イングランドでCOVID-19の入院患者、25%近く増加
【アメリカ】
・米J&J、コロナワクチン治験中断 参加者が原因不明の病気
・新型コロナ急増の予想が現実に、再び病院逼迫や死者増大の懸念 米国
・NYとサンフランシスコでアパート賃料急落、在宅勤務の台頭で打撃
・米科学誌、トランプ氏「不支持」異例の表明相次ぐ…コロナ対策「危機を悲劇に変えてしまった」
上記はいずれも最近のニュースになりますが、冒頭の複数の投資ファンドが述べているように、「日本が欧米に比べてコロナ禍の打撃が小さいから」というのは間違っていないと思います。
したがってコロナ禍において、米国株を中心に株がずっと上がり続けたのも「おかしい」と言えますし、為替市場で「円」がずっと売られてきたのも「おかしい」と言えます。
しかし、このような「おかしさ」は必ずどこかで修正されるものです。
そのような中、世界3大投資家の1人であるジム・ロジャーズ氏の新刊本「ジム・ロジャーズ お金の新常識-コロナ恐慌を生き抜く」(朝日新聞出版)では、ジム・ロジャーズ氏は以下のようなことを語っていました。
・多くの人は今後、世界の経済状況が悪くなると思っている。私も同じ考えだ。だから、経済危機になれば金(GOLD)は再びバブルになる。そうなると、爆発的に金の価値が上がる。
・2020年6月の時点で私はアメリカ株に投資していない。アメリカ株はいつも高値で、さらに史上最高値を更新し続けてきたからだ。
・イギリスのEU離脱の影響はイギリスだけにとどまらない。EUはイギリスの離脱をきっかけに、バラバラになってしまうかもしれない。
さて、これまでのコラムでも何度かお伝えしてきたように、ジム・ロジャーズ氏は「人々は危機の際に、ポンドやユーロなどの他通貨に比べて、ドルが優れていると思うものだ。実際はそうでなくても、そのように考えて行動する」と語っています。
ジム・ロジャーズ氏の発言や上記のような全体像を踏まえますと、やはりこの先はしっかりと「有事」を意識して、有事の円、有事のドル、有事の金、有事の銀ということで、円高・ドル高、金高・銀高の相場観をキープしながら臨むことが正解になると思います。
引き続き、頑張りましょう。