「トランプ再選に暗雲」
最近、このようなことが頻繁に言われるようになってきました。
なぜなら、経済の悪化がすさまじい速度で進んでいるからです。
今よりもさらに経済が悪くなれば、再選は難しくなるかもしれない、というわけです。
「米世論調査、バイデン支持がトランプ大統領を13ポイント上回る」といった報道もありました。
ところが、このような世論調査以上に「正確なのではないか?」と言われているのが「オンライン賭けサイト」の動きです。
「お金」を賭けた予想だからこそ、その予想も本気だと言われているのです。
そして、そのような「オンライン賭けサイト」でも、バイデン氏の勝率はトランプ氏より9ポイント高いそうです。
その上、トランプ大統領に対して追い討ちをかけるかのように、次々と「暴露本」も出ています。
ピューリッツァー賞(アメリカにおける新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲の功績に対して授与される賞)を受賞した「ワシントンポスト」紙の女性記者による暴露本、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)による暴露本、トランプ大統領の姪による暴露本・・・といった具合です。
これらの暴露本では、メラニア夫人がホワイトハウスの人事に口出しをしていること、大阪で開かれたG20サミットでトランプ大統領が習近平国家主席に対し自身が大統領選で勝つことが確実になるように懇願したこと、家族内の金銭を巡る骨肉の争い・・・といったことが暴露されているようです。
こうなってきますと、やはりトランプ大統領の再選に暗雲が立ち込めているのは間違いないと思われます。
しかし前回の大統領選では、下馬評ではヒラリー・クリントン氏有利との見方が圧倒的だったのにもかかわらず、トランプ大統領が勝利を収めました。
ですので、私個人的には「最後まで分からないな」と思っているのですが、ひとつ無視できないのが、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏の発言です。
アメリカはリーマン・ショック以降、12年近くにわたって景気拡大を続けた。これはアメリカ史上最長だ。2019年後半から2020年初頭にかけて、米国株は史上最高値を更新してきたが、その株高を牽引してきたFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)の株価を見ても、明らかに割高な水準だった。私は以前から「2020年以降は、世界中で経済状況が悪くなる」と警鐘を鳴らしていたように、一切の米国株を手放した。
上記のジム・ロジャーズ氏の発言の中でも、特に「一切の米国株を手放した」というところが無視できないポイントだと思います。
なぜなら、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏が「一切の米国株を手放した」ということは、今後仮に米国株が上昇していったとしても、それは「まともな値動きではない」と考えられますし、逆に「いつ米国株が暴落してもおかしくない」と考えられるからです。
さらに私個人的には、最近のニュースで以下のようなニュースも気になっています。
・米シアトル(ボーイング、マイクロソフト、スターバックスなど世界的企業の本社がある)で抗議デモ隊が「自治区」設立を宣言。
・米ミネアポリス市警察の解体・再建、市議会が全会一致で決議。
・アメリカで、コロンブス(先住民虐殺の時代を招いた人物とする見方がある)やジェファーソン(南北戦争当時、奴隷制度存続を掲げた「南部連合」の初代大統領)の銅像が引き倒された。
・日本で、新型コロナウイルスの影響で業績を下方修正した上場企業は756社、下方修正分の売上高合計は約5.2兆円に達した。
・北京市西城区の政府は声明で、新型コロナウイルス感染例が確認された市場近くにある同区7カ所の居住区について、6月16日から封鎖すると発表した。
一言で言いうと、「心配事が絶えない世の中になっている」と思います。
そして簡単に言うと、コロナ危機後の株高についても、紙幣を刷りまくって余ったお金が行き場を探して株式市場に流れ込んでいるだけの、うわべだけの株高だと思います。
したがって、株価の修正(=暴落)はいつ起こってもおかしくないと考えておくべきではないかと思います。
すると、株高につられて売り込まれていた「円」や「ドル」は、株価の暴落をきっかけに「買い」に転じ、「円高」「ドル高」になるのではないでしょうか。
同様に歴史を振り返りますと、すべての危機において、金と銀の価格はいったん下がったとしても、すぐに上がるという特徴がありますので、「有事の金」や「有事の銀」も健在だと思われます。
このようなイメージを持って、引き続き頑張りましょう。