為替 - 基本情報

 

為替は2国間(2通貨間)の相対的な関係によって変動します。

 

ドル円ならアメリカと日本、ユーロ円なら欧州と日本、ユーロドルなら欧州とアメリカ・・・といったように、2国間(2通貨間)の相対的な関係によって変動します。

 

 

 

つまり各国の経済状態がどうなのか、取り巻く環境はどうなのか・・・といったことを把握しておくことが大事になります。

 

 

 

先日、私は元国連職員で著述家の谷本真由美さんの著書「世界のニュースを日本人は何も知らない」(ワニブックスPLUS新書)を読みました。

 

こちらの本では、私達投資家が「知っておくべきだ」と思われる各国の情報についても書かれていました。

 

以下に整理してみます。

 

 

 

 

 

【日本】

 

・経済成長が終わり、世界で最も早く高齢化と少子化という問題に直面する大変厳しい状況に置かれた先進国である・・・それが外国での日本に対する認識。

 

 

 

・大半の国は日本よりはるかに悲惨。

 

 

 

・こんなに少ない自己負担額と健康保険料で、迅速で質の高い医療を提供する国はほとんどない。

 

 

 

・日本ほど治安がよい先進国はない。

 

 

 

・イギリスのコンサルティング会社が発表している、ビザ不要で渡航できる国や地域の数で「パスポートの自由度」をはかるランキングでは、2018年と2019年の2年連続で日本のパスポートが堂々の第1位。

 

 

 

 

 

【アメリカ】

 

・多くの若者は大学卒業時に1000万円以上の学資ローン、つまり借金を抱えた状態となる。

 

 

 

・アメリカの研究機関の調べによると、中流家庭の割合は1971年の61%から2015年には52%に減少するなど、ここ40年ほどで縮小傾向にある。一方で下流層は25%から29%に拡大し、上流層は14%から19%に増えている。

 

 

 

・日本のような公的な健康保険が存在しないに等しい状況なので、大半の人は民間の高額な保険に入らざるを得ない。

 

 

 

・アメリカの金融関連情報サイトの2017年の調査結果によると、18歳以上になる成人の半数以上が、1000ドル(約11万円)以下の貯金しかない。

 

 

 

・底辺の公立校では、学校の駐車場に麻薬の売人がうろついていたり、日本のように心理的ないじめではなく暴力や銃により殺されてしまったりすることも決してめずらしくない。

 

 

 

 

 

EU(欧州連合)】

 

・世界で最も移民に対する意見が二極化している地域で、国が二つに割れるような状況になっている国が多く、かなり難しい状況になっているのが実情。

 

 

 

・もともと仲が悪かった国々が集まったEUは、ライバルであるアメリカにも対抗できず、ドイツが好き勝手やってしまったので、いまや崩壊寸前。

 

 

 

・日本人が想像する豊かな欧州は、実は北部のほんの一部の国にすぎず、北部の国々であっても近年は格差が拡大しており、お金とコネがなければいい仕事を得ることができない。

 

 

 

・イタリアやポルトガル、スペインなどには、日本でその辺に転がっているようなアルバイトの仕事すらない。

 

 

 

・イタリアは強盗や空き巣が多すぎるので、マンションの一階の窓には鉄格子が取り付けられているのが当たり前。

 

 

 

・フランスのトイレはおそらく欧州でもっとも不潔で、日本では考えられないような危険な地域が存在する。インフラはボロボロ、仕事は予定どおりには進まず、ストライキだらけで電車やバスのスケジュールはめちゃくちゃ。若者が仕事を得るのも、日本よりはるかに大変。

 

 

 

 

 

【イギリス】

 

・統計を取り始めてから、はじめて家庭の支出が収入を上回った。つまり大半の家庭は借金だらけで大赤字。

 

 

 

・町中で、マシェティ(ジャングル用のナタ)で襲われる、硫酸をかけられて強盗される、子どもが学校から無事に帰ってくるか心配する、中学生が家にマシンガンを隠し持っていて特殊部隊が突入する。これらはつくりネタなどではなく、イギリスで実際に起きたこと。イギリス警察によれば、マシェティ(ジャングル用のナタ)による事件は2017年の2ヶ月間に928件も確認され、これを日割りにすると90分おきに発生したことになる。

 

 

 

・イギリスでは安い物件イコール超治安が悪い場所なので、死を覚悟する必要がある。

 

 

 

・イギリスにはイスラム教徒が多い地域があり、大規模な世論調査によると、2003年には48%の人が「イギリスにおけるイスラム化を心配している」と答えたのに対し、2013年には62%に増加している。

 

 

 

 

 

さて上記のようなことが書かれており、日本は大半の国よりも恵まれていることが分かるのではないかと思います。

 

 

 

ですので、為替が2国間(2通貨間)の相対的な関係によって変動することを考えますと、有事の際には「有事の円」となる理由もよく分かるのではないかと思います。

 

 

 

一方、アメリカは多くの問題を抱えていますが、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は「人々は危機の際に、ポンドやユーロなどの他通貨に比べて、ドルが優れていると思うものだ。実際はそうでなくても、そのように考えて行動する」と語っており、今でも「有事のドル」は健在だと思われます。

 

 

 

このような「基本情報」を、しっかりと把握しておくことが大事だと思います。

 

 

 

引き続き、頑張っていきましょう。