今年も残すところあとわずかとなりました。
ちなみに今年は亥年、来年は子年ですが、亥年の相場格言は「亥固まる」で、子年の相場格言は「子繁栄」です。
今年は亥年の相場格言通りの「亥固まる」となり、為替市場はほとんど動かない時期が大半を占めていました。
そして株式市場も「亥固まる」で、値動き自体は小さかったのですが、じりじりと小幅上昇が続き、米国株は連日のように過去最高値を更新、日本株も連日のように年初来高値の更新を続ける展開となりました。
では来年の相場格言「子繁栄」は、本当に「繁栄」となるのかどうかを考えてみたいと思います。
来年は7月に東京オリンピックを迎えることからも、もちろん「繁栄」と予想する人達もいます。
ここで過去5回の子年を振り返ってみますと、2008年、1996年、1984年、1972年、1960年となります。
この過去5回の日経平均株価の平均上昇率は22.8%もあるようで、たしかに「繁栄」と言えそうなのが「子年」です。
ただし注意しなければならないのが、前回2008年はリーマン・ショックの起こった年であり、この時の日経平均株価は「-39%」となったことを押さえておく必要があります。
さて、その他にも参考となる情報がないかということで、私は「世界3大投資家」に関する情報を調べてみました。
ちなみに「世界3大投資家」については、ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏、ジム・ロジャーズ氏の3名が「世界3大投資家」と称されています。
以下に、これら「世界3大投資家」に関する情報を記したいと思います。
【ウォーレン・バフェット氏】
・米国株の割高を警告する「バフェット指数」が過去50年で最高に
・ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の手元現金が、過去最高の「約14兆円」に達している
【ジョージ・ソロス氏】
・中国のせいで世界が「これまでにない危険」に直面していると警告
・EUは「気づかないうちに危険な状況に向かっている」と警告
【ジム・ロジャーズ氏】
・「世界的な債務の膨張が危機を招く。次の危機はリーマン・ショックを上回る史上最大のものとなるだろう」と警告
・「日本は好きだが、日本株は持たない」と発言
さて上記の「世界3大投資家」に関する情報から判断するのであれば、来年は「子繁栄」ではなく、「警告」や「慎重」の方が当てはまることが分かります。
さらに前述のように、前回2008年の「子年」はリーマン・ショックの起こった年であることからも、「来年についても慎重になるに越したことはないのではないか」と私は思います。
また個人的に、来年は「ポンドに注目が集まる年になる」とも思っています。
先日の総選挙でのイギリス与党保守党の勝利を受けて、イギリスは年明け1月末にEUから離脱することが事実上決定しました。
そしてEU離脱後は、1年間の「移行期間」に突入します。
この1年間の「移行期間」に、イギリスとEUとの間で自由貿易協定などを締結していく流れとなっています。
また「1年間」という期間についても、先週の水曜日に「イギリスは期間を延長しない、法案に条項追加へ」と報じられました。
そしてこれらの情報だけでも、早速問題が起こることが容易に予想できます。
前述のように、イギリスはEUとの間で自由貿易協定などを締結していく流れになっているわけですが、これまでEUが他の国々と自由貿易協定の交渉に費やしてきた時間は「3~5年」もかかっているのです。
韓国に至っては「9年」もかかっています。
すると、わずか「1年」で、イギリスとEUの自由貿易協定の交渉がまとまることはまずないだろうということが容易に予想できます。
では交渉がまとまらなかったら、どうなるのでしょうか?
まとまらなければ、いわゆる「合意なき離脱」です。
世界中に衝撃が走り、マーケットは大混乱に陥ります。
さらに「イギリス」とは正確には、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの地域が合わさっての「イギリス」となりますが、現在各地域で独立論が活気づいており、これら4つの地域からなる「イギリス連合王国」の崩壊が現実化する可能性さえある、と言われているのが現在の状況なのです。
したがって来年はイギリス関連の報道で、相場が乱高下するのが予想されます。
特にポンドの乱高下が激しくなるでしょう。
また「解決の道が全く見えない」といっても過言ではないことは、この数年間のイギリスを見ていたら、そう判断できますので、ポンドについては「売り戦略」が正解だと思います。
いずれにせよ、「慎重になるに越したことはない」「ポンドに注目が集まる年になる」というのが、来年の相場についての私の思うところです。
ひとつ参考にしていただけたら幸いです。