清王朝の債権

 

現在、清王朝(1616年に満洲において建国され、1644年から1912年まで中国とモンゴルを支配した最後の統一王朝)が発行した債券について、中国に返済させようという話が出てきています。

 

 

 

しかし清王朝は辛亥革命によって崩壊しています。

 

 

 

この清王朝の債権については、過去にも度々「中国に返済させよう」という話が出てきたことがあるのですが、米司法省が和解を図り、1987年には一応の決着がついたそうです。

 

 

 

ところが、最近になって再びこの話が浮上してきているのです。

 

 

 

背景には現在の「米中対立」があると思います。

 

 

 

ちにみに、現在の米国債の最大保有国は日本で、保有残高は約120兆円あります。

 

そして2位が中国で、保有残高も日本とほぼ近い金額で、約119兆円あります。

 

 

 

このような中、「今度はアメリカが中国に対して、債務を踏み倒したらいいのではないか?」という話が出てきているそうです。

 

 

 

しかし「踏み倒す」といっても、その金額は約119兆円もあります。

 

日本の年間国家予算をも上回る金額です。

 

 

 

アメリカの理屈としては、「当時の清王朝の債務は、現在の価値に置き換えると100兆円以上あるので、アメリカだって中国に対して同様に債務を踏み倒したら相殺できるではないか」ということだそうです。

 

 

 

いずれにせよ、今頃になって清王朝の債権の話が持ち出され、米国債踏み倒し論のような話が出てきていること自体が驚きです。

 

 

 

しかしこのような「踏み倒し」が万が一でも現実になれば、それこそ世界中が大混乱に陥ると思います。

 

また「いつ何をしでかすか分からない」のがトランプ大統領なので、このことは気に留めておいた方がいいと思います。

 

 

 

 

 

一方で、先週はイギリスのブレグジット関連のニュースが続きました。

 

 

 

1031日に、EUと合意なきまま離脱することを阻止しようとする法案が可決

 

 

 

・ジョンソン英首相が「EU離脱を遅らせるなら、死んだ方がまし」と発言

 

 

 

 

 

これらのニュースを受けて、イギリスの「合意なき離脱」への懸念が後退したという見方が強まり、先週はポンドが買われました。

 

そして市場に安心感が広がったのか、ドルと円が下落しました。

 

 

 

しかしこれらのニュースについては、多くのプロトレーダー達が「これほどの混乱を続ける国の通貨(ポンド)を買いたいと思うか?」「どうせまた売られるに決まっている」と言っており、私もその通りだと思っています。

 

 

 

そのような中、イギリスのBBCは直近で「それでも合意なき離脱はあり得る」と報じています。

 

 

 

なぜならば、離脱は相手(EU)あっての離脱だからです。

 

BBCは「フランスのマクロン大統領は、これ以上の延期を認めないだろう」と報じています。

 

 

 

やはり前述のように、ポンドは「どうせまた売られるに決まっている」ということになるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

さてこのような中、船井総研ホールディングス(東証一部に上場しているコンサルティング会社)創業者・船井幸雄氏の息子である船井勝仁氏が以下のようなことを言っています。

 

 

 

「テクニカル分析を得意とするアナリストがリーマン・ショックの時と同じチャートになってきており、持ち株を全部処分して、それだけではなく積極的に空売りをした方がいいという話をしているのを耳にしました」

 

 

 

 

 

実際のところ、世界の債務残高はリーマン・ショック前の1.6倍になったと報じられていますし、アメリカの企業に至っては2倍になったと報じられています。

 

 

 

したがって、船井氏の言う「テクニカル分析を得意とするアナリストがリーマン・ショックの時と同じチャートになってきており・・・」という前述の話も、今後は特に気に留めておいた方がいいと思います。

 

同じチャートに、似たような(もっと酷い)状況だからです。

 

 

 

このような現在の状況を考えますと、やはり当面は「有事の円」「有事の金・銀」になると思いますので、これらの「買い」を基本戦略として取り組むのが良いと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。