「まだ絶対に何かあるはずだ」
トランプ大統領の誕生やAIの台頭があって、近年の相場は不可解な値動きが非常に多くなっていると思っていましたが、その一方で私は「まだ絶対に何かあるはずだ」と思っていました。
そして最近、その「正体の一部」が見えてきましたので、皆さんにもお伝えしたいと思います。
しかし一番大事なのは、「その上でどうするか?」という事です。
ですので、この点についても考えたいと思います。
まず「正体の一部」についてですが、先々週のコラムで以下の事をお伝えしていました。
・ヘッジファンドの「ルネッサンス・テクノロジーズ」の運用成績が他を圧倒している。その戦略を支えているのは、年中無休の何テラバイト(2の40乗バイト、何千ギガバイト)ものデータ処理。そして、ほんのわずかな利ザヤに繋がる取引を1日に1000回行っている。「ルネッサンス・テクノロジーズ」は外国為替市場で活発な取引を行っている。(株式市場など他の市場も)
「正体の一部」の核心を言いますと、トランプ大統領は上記のヘッジファンド「ルネッサンス・テクノロジーズ」のおかげで誕生したと言っても過言ではない、ということです。
その経緯は、まず「ルネッサンス・テクノロジーズ」のCEOであるロバート・マーサー氏が資金を出し、さんざん問題視されてきた選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」(現在は廃業)が設立されました。
またこのロバート・マーサー氏がアメリカ大統領選挙の際、トランプ陣営への資金援助も行っています。
さらにその献金額は断トツで、他の大口献金者を圧倒して、ロバート・マーサー氏が最大献金者となっています。
「ケンブリッジ・アナリティカ」がさんざん問題視されてきた理由は、「個人情報を許可なしに大量に収集した」「問題広告によって情報操作を行った」等のことが言われているからです。
そしてその「ケンブリッジ・アナリティカ」こそが、イギリスの国民投票をEU離脱に導き、トランプ大統領を誕生させたのだと各方面で言われているのです。
これらの件については、日本でもずいぶんと報道されました。
ちなみに元投資銀行家で、アメリカ大統領選挙の際にトランプ陣営の「選挙対策本部長」を務めたスティーブン・バノン氏が「ケンブリッジ・アナリティカ」の副社長も務めていました。
そしてスティーブン・バノン氏をトランプ大統領に紹介したのもロバート・マーサー氏です。
このような流れを整理して見ていきますと、ヘッジファンド「ルネッサンス・テクノロジーズ」とトランプ大統領は「切っても切れない関係」であることが分かります。
さらに前述のように、ロバート・マーサー氏がトランプ陣営への最大献金者であることを考えますと、トランプ大統領にとって、ロバート・マーサー氏が最重要人物だと言っても過言ではありません。
そしてまだあります。
「ルネッサンス・テクノロジーズ」のCEOであるロバート・マーサー氏には娘(レベッカ・マーサー氏)がいて、彼らが設立したマーサー財団が共和党への献金活動を行っています。
その結果、娘であるレベッカ・マーサー氏は、マーサー財団の理事長という肩書があることから、アメリカ政権の中枢である「ホワイトハウス」にフリーパスで入ることが許可されているのです。
したがって、トランプ政権内部に微妙な変化があれば、それは直ちにレベッカ氏からルネサンス・テクノロジーズに伝えられ、AIトレードに反映されているという疑惑が、現在あちらこちらから出てきているのです。
つまり話を整理しますと、以下のようになります。
・トランプ大統領が誕生してから、相場が特におかしくなった
・おかしくなった相場で他を圧倒して儲けているのは、トランプ大統領誕生の立役者で、最大献金者であるヘッジファンド「ルネッサンス・テクノロジーズ」
・「ルネッサンス・テクノロジーズ」にはインサイダー取引の疑惑がある
(ロバート・マーサー氏の娘レベッカ氏からトランプ政権内部の情報が伝わっているという疑惑)
要するに、近年の相場は「フェア(公明正大)」からは程遠く、このようなインチキができる投資家こそが圧倒的に有利になっているのです。
そして極めつけが、「アメリカを戦争に向かわせる男」として報じられているジョン・ボルトン大統領補佐官を、資金面で最大のサポートをしているのも「ルネッサンス・テクノロジーズ」のロバート・マーサー氏です。
現在のイラン問題の背後にも、ロバート・マーサー氏(ルネッサンス・テクノロジーズ)がいるということです。
ですので、今後はもしかしたらロシア疑惑の次の疑惑として「ルネッサンス・テクノロジーズ」疑惑が持ち上がってくるかもしれません。
では、一番大事な「その上でどうするか?」を考えたいと思います。
私は以下の5点を押さえてやっていくべきだと思っています。
1、近年の相場が「インチキ相場」であると認識する
2、「損切り」は、インチキができる投資家の利益に繋がる事でもあるので、私達は極力、値段が動いて利益になるのを待ってから決済した方が良い
3、いくら「インチキ相場」といっても、例えば「1ドル=1円」になることは無いと考えると、当面はトランプ大統領誕生(2016年11月8日)以降の「最高値」から「最安値」の範囲内で値段が動いていくと考える
4、上記3を踏まえた上で、仮にもしもトランプ大統領誕生以降の「最高値」や「最安値」に到達したとしても、対処ができるような「ポジション量」で取り組むようにする
5、80を超えると危険シグナルとされる「金銀レシオ(金価格÷銀価格)」が21世紀になって一度も付けたことがない水準まで上昇してきている。(80⇒89⇒91台)
利下げの可能性によって上昇したのだと言われる一方で、同時期に「ニューヨーク連銀製造業景況指数」が過去最大の下げ幅になったにも関わらず、先週末、ダウ平均株価が過去最高値を更新した。
今後は第2の「リーマン・ショック」発生を想定し、「有事の円」「有事のドル」「有事の金」を意識しておく
「インチキ相場」とは、ある意味「何でもありの相場」です。
これはスポーツに例えますと、「反則しても、審判を買収しているから大丈夫」といったような話で、本当にとんでもないことだと思いますが、これが近年の相場の実態です。
したがって、今後は上記の5点をしっかりと意識して、「慎重さ」と「忍耐強さ」で対処していくべきだと思います。
引き続き頑張りましょう。