アメリカの雑誌「USニューズ&ワールド・レポート」がペンシルベニア大学と共同で調査を行い、「力のある国」ランキングを発表しました。
「力のある国」とは、世界における政治的影響力や経済的影響力に基づく「力のある国」で、2万人以上から意見を集め、調査したそうです。
そして「力のある国」トップ25が発表され、そのランキングは以下のようになっていました。
1位:アメリカ 2位:ロシア 3位:中国 4位:ドイツ 5位:イギリス
6位:フランス 7位:日本 8位:イスラエル 9位:サウジアラビア 10位:韓国
11位:アラブ首長国連邦 12位:カナダ 13位:イラン 14位:スイス 15位:オーストラリア
16位:トルコ 17位:インド 18位:イタリア 19位:イラク 20位:シンガポール
21位:スウェーデン 22位:パキスタン 23位:スペイン 24位:カタール 25位:ベルギー
やはり、1位はアメリカとなっています。
そして日本は7位です。
いずれにせよ、特にランキング上位の国々に関しては、世界における政治的影響力や経済的影響力が大きいので、普段から意識して注目しておいた方が良いと思います。
そのような中、1位のアメリカ関連に関しては、まもなく日米貿易交渉が始まります。
ここで押さえておきたいキーマン(重要人物)が、アメリカの貿易交渉責任者であるライトハイザー通商代表部(USTR)代表です。
ライトハイザー氏は、1983年から1985年まで同じ共和党のレーガン政権で貿易交渉の次席代表を務め、日米貿易摩擦で日本に鉄鋼の輸出規制を受け入れさせた人物です。
この時、交渉の席で日本の提案書を紙飛行機に折って投げ返したという逸話があるそうです。
またライトハイザー氏はニューヨーク・タイムズへの寄稿で「1985年のプラザ合意で、円の上昇によって日本の輸出を割高にした」と言及したことがあるのですが、当時の日米貿易摩擦、日米貿易交渉がプラザ合意へと繋がっていき、歴史的な円高ドル安(1年で240円から160円)へと繋がっていったということになるのです。
要するに、日本からすると、ライトハイザー氏はかなり手ごわい交渉相手だと言えます。
実際も「タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」などと言われているようです。
そして今回アメリカは要点を3つ挙げており、それが「農産物」「自動車」「為替」なのです。
おそらく今後日本はアメリカからかなり厳しい要求が突きつけられるでしょうし、為替についても1985年のプラザ合意のような、歴史的な円高ドル安に繋がる可能性もあると思います。
「歴史は繰り返す」と言いますが、まもなく日本にとって大きな変化がアメリカ発で来るかもしれない、と考えられるわけです。
そのような中、昨年「最も正確に株価予測をした」ということで知られている米銀モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、今年の米国株について「弱気」となっています。
不安要素が多いという見解のようです。
一方、トランプ大統領は現在、国家非常事態宣言を発令しています。
メキシコ国境の壁建設のためです。
そして現在、メキシコ国境に押し寄せる不法移民がどうなっているかといいますと、先月は7万6000人以上に達したそうです。
これは前年同月の2倍以上で、最多記録を更新していると報じられています。
米税関・国境警備局のケビン・マカリーナン局長は「限界点に達している」と述べたそうです。
冒頭で述べたように、「力のある国」ランキングの1位がアメリカです。
アメリカの政治的影響力や経済的影響力は世界に及びます。
しかしアメリカの現状は前述の通りとなっています。
これは現状を読み解きますと、この先、円高ドル安に推移していくのが「自然」な流れだと思います。
今後も特に「力のある国」ランキング上位の国々に関しては、意識して注目しながら取り組むと良いと思います。
引き続き頑張りましょう。