相場がほとんど動いていません。
「まるで固定相場のようだ」といった声も多く上がっています。
しかし今の国際情勢を考えますと、このままいつまでも動かない展開は考えにくいと思います。
このような時は動くのを待つしかないのですが、今回のコラムは、知る人ぞ知る「タートルズ」についてお話をしたいと思います。
タートルズとは、「投資家集団タートルズ」と呼ばれる集団で、著名投資家のリチャード・デニスが育成した投資家集団です。
リチャード・デニスは、投資の能力が「生まれか? 育ちか?」という議論を友人で仕事仲間であるウィリアム・エックハートとしていました。
そしてその「答え」を知るために、投資家(トレーダー)志望者を公募して実験してみようということになりました。
ちなみにリチャード・デニスが投資の能力を「育ち」である、つまり教育できるものと考え、ウィリアム・エックハートが「生まれ」である、つまり才能で決まるという考えを持っていました。
実験の結果、「答え」は「育ち」である、つまり教育できるものと考えたリチャード・デニスが正解だったそうです。
「投資家集団タートルズ」は最終的に23人育成されたとされていますが、大きな成功をおさめたと言われています。
元々は素人の寄せ集めであった集団が、大きな成功をおさめたという話なのです。
タートルズについては、「ザ・タートル 投資家たちの士官学校」(日経BP社)という本に詳細が書かれています。
しかし本書を読めば分かりますが、内容の「鵜呑み」は禁物だと思います。
また投資家(トレーダー)志望者を公募して実験していたのが1980年代との事ですので、今でも「100%通用する」という話ではありません。
さらに重要な事ですが、「流動性が高いこと」「公正な取引が行われていること」「活発な値動きがあること」という条件が揃ってこそ、「タートル流トレード」が通用する、という説明になっている事を押さえておく必要があります。
しかし本書には、「今でも通用する」と思われる「教え」がいくつも書かれています。
以下に、私が「今でも通用する」と思った「タートル流トレード」の「教え」を紹介したいと思います。
・市場(値段)が動いたときに、どう行動するか考えておくことが大事
・ときとして、ありえないことが起こると理解しておくことが大事
・運用資金は小分けにしながら売買するべきだ
・辛抱強さが大事
・いつポジションをとる(仕掛ける)かにこだわるよりも、いつ手仕舞うかに気をつかうべきだ
タートルズの話は1980年代の話なので、一昔前の話になりますが、やはり「重要な教え」は時代が変わっても「重要」だと思います。
実際に、タートルズの話はウォール街で働くプロには「周知の事実」と言われていますし、利益をあげるヘッジファンド等も、この「教え」をきちんと守っていると言われています。
皆さんも、上記タートルズの「教え」を参考にしていただければと思います。