手法

 

最近、ある雑誌に「偏差値100超えの天才がたどり着いた禁断のFX手法」という記事が載っていました。

 

全国模試で2位になったことがあり、東京大学を卒業し、現在は専業トレーダーになっているという方の記事です。

 

 

 

FXを始めた「きっかけ」は、同じ東京大学出身の友人から「FXは簡単。1ドル80円から120円のレンジがほとんどなのだから」と説かれたからだそうです。

 

そして試行錯誤した結果、たどり着いた答えとして、以下のように述べていました。

 

 

 

FXのようなマニュアル本には『ナンピンのような買い下がりは厳禁』と書かれていました。しかし、失敗するのはレバレッジが過大になるから。資金管理に気をつければ、ナンピンこそもっとも簡単に勝ち続ける方法だと考えました」

 

 

 

「急落時には含み損が拡大しますが、強制決済にならないよう資金に余裕をもたせ、相場回復を待つのです」

 

 

 

私は「自分とよく似た考え方(手法)だな」と思って記事を読んでいたのですが、今回改めて思ったことがあります。

 

それは「世間に相場の手法は山ほどあるけれど、全てを追いかけていてもキリがない。やはり大事なのはブレない事だ」という事です。

 

 

 

また前述の東京大学出身のトレーダーの方は、「FXを始めたころに関連書を読みましたが、ほとんど役に立ちませんでした。日本人の本にはバイアスが多く、日経新聞も同様です。それを読んでいては一生勝てません。本書の著者は日本人の元為替ディーラーですが、役に立った例外です」という事で、現在は衆議院議員の今井雅人さんの著書「外国為替トレード 勝利の方程式」(日本実業出版社)を投資バイブルとして薦めていました。

 

 

 

さて今井雅人さんですが、私は何年か前に投資家仲間達と一緒に食事をした事があります。

 

投資家仲間達の中には、投資関連書籍の出版等で有名なパンローリング社から書籍やDVDを出している人達もいたのですが、この時今井さんと一緒になって盛り上がった話題は「メディアによる特徴の違い」でした。

 

「例えば同じ出来事でも、読売・産経・毎日・朝日・日経など、メディアによって報じ方が全然違っていたりする」という事で、相場においてもニュースを鵜呑みにしない事、複数のメディアに接した上でニュースの中身を判断していく事の重要性について話をしていました。

 

 

 

そんなわけで、「これも何か縁だろうな」と思って、最近私も今井雅人さんの著書「外国為替トレード 勝利の方程式」(日本実業出版社)を読んでみました。

 

 

 

読んでみた感想は、非常に良い本だと思いました。

 

ただし本著が出版されたのは2005年ですので、現在台頭してきているAI(人工知能)については触れられていません。

 

この点については十分考慮せねばなりませんが、その他については投資家として押さえておきたい重要事項がギッシリ詰まった良書だと思いました。

 

お時間に余裕のある方は、ぜひ一度読んでみてください。

 

 

 

ちなみに今井さんは「ナンピン厳禁」としつつも、「あらかじめ計画、想定しているナンピンについては問題ない」と語っています。

 

 

 

そして短期売買を行う投資家達の損切り注文を狙って、為替相場を動かすような大量注文を出してくる連中もいるので注意が必要、とも語っていました。

 

これは「ストップ狩り」の事を指していますが、今井さんは「えげつない取引をしている連中もいる」という表現で、注意を促しています。

 

 

 

また「えげつない取引」に関して言いますと、「ストップ狩り」のような単発的なものだけでなく、先々週のコラムで述べた「銀」のような長期の価格操作もあります。

 

この件については現在、米国司法省がFBIにより調査継続中との事を言っていますが、いずれにしても早く解決に至ってほしいと思います。

 

 

 

さて直近の気になるニュースとしては、デンマーク最大のダンスケ銀行にマネーロンダリング疑惑が浮上しており、この件にドイツ最大のドイツ銀行も関与しているという話が出てきています。

 

ダンスケ銀行エストニア支店で2300億ドル(約26兆円)、米国法人で2000億ドル(約23兆円)の巨額マネーロンダリング疑惑です。

 

この件についても米当局が調査を開始と報じられているのですが、ドイツ銀行の株価は過去最安値になっていますし、取扱ひとつで「金融ハルマゲドンになる」と言われているため、注意が必要です。

 

 

 

引き続き、慎重に取り組んでいきましょう。