米大統領選挙

 

今週はいよいよ米大統領選挙です。

 

これまで、ヒラリー優勢と報じられてきましたが、111日に発表されたワシントン・ポスト紙とABCニュースによる共同世論調査では、ドナルド・トランプ氏の支持率が46%とクリントン氏を1%上回り、逆転しました。

 

果たして、結果はどうなるのでしょうか?

 

 

 

まずは、ヒラリー優勢を唱える人達の理由を見ていきましょう。

 

それは、アメリカの選挙制度にあります。

 

アメリカの選挙制度は、Electoral collegeという制度になっており、カルフォルニア州55、テキサス州38、ニューヨーク州29、フロリダ州29、イリノイ州20、ペンシルベニア州20など、(大統領)選挙人割当数というものがあり、合計で538となっています。

 

日本人の感覚では分かりづらいですが、各州を代表する(大統領)選挙人という人達がいます。

 

順番でいうと、まず一般有権者による投票が行われて、(大統領)選挙人が選ばれます。

 

(大統領)選挙人が大統領を選ぶ権限を与えられている人達という事で、上記(大統領)選挙人割当数538のうち、過半数である270人以上の票を得られれば、アメリカ大統領が決まるという仕組みです。

 

さらに、アメリカの大半の州では「勝者独占方式」を採用していて、州ごとに得票数で上回った候補者が、その州の(大統領)選挙人の票を総取りできるのです。

 

つまり、カルフォルニア州55、テキサス州38、ニューヨーク州29などの票を総取りできるという事です。

 

 

 

ここで、覚えておきたいもうひとつのワードが「スイング・ステート」です。

 

スイング・ステートとは、特定政党への支持傾向の弱い州という意味です。

 

つまり、アメリカには民主党を支持する州、共和党を支持する州、特定政党への支持傾向の弱い州の3つがあるという事です。

 

この時点で、民主党のヒラリー氏は、スイング・ステートを除いても過半数278人を既に取ってしまっているとされています。

 

なぜなら、上述のように、アメリカの大統領選は勝者独占方式によって、(大統領)選挙人の票を総取りできる陣取りゲームのような仕組みになっているからです。

 

ですので、ヒラリー優勢を唱える人達は、選挙制度を理由に「トランプが勝つわけがない」と言います。

 

 

 

一方で、トランプ優勢を唱える人達にも理由はあります。

 

それは、1028日に、FBIがヒラリー氏のメール問題の捜査再開を発表したからです。

 

これをきっかけに、世論調査におけるヒラリー氏の支持率が顕著に下落しました。

 

従来、アメリカにおける黒人の多くは白人優位主義を秘めている感じの共和党を嫌っていたものですが、エリート然としたヒラリー氏を嫌う人も増えてきており、貧富格差を拡大したエリート達を批判するトランプ支持に回る人も出てきているといいます。

 

 

 

主要メディア各社やソーシャルメディア各社はヒラリー氏支持だと言われ、したがっていくらヒラリー氏優勢だと報じられても、報道は歪められていると考えるべきで、実勢はトランプ氏優勢なのではないのかという事のようです。

 

 

 

さらに、メディアの中でも、FOXニュースやウォールストリート・ジャーナルは今回のFBIの再捜査を盛んに報道しています。

 

このメディアのどちらもメディア王と呼ばれるルーパート・マードック氏の所有ですが、トランプ氏とマードック氏は個人的に親しい間柄だそうです。

 

FOXニュースやウォールストリート・ジャーナルの報道は、トランプ氏を援護するものとなっています。

 

 

 

結局、私個人としましては、「最後まで分からない」というところが本音です。

 

わずかにヒラリー氏優勢のように思いますが、最後まで分からないなと感じています。

 

 

 

ヒラリー氏になればドル高円安、トランプ氏になればドル安円高との見方が強まっています。

 

しかし、仮にヒラリー氏になったとしても、ドル高円安は一時的で、すぐにドル安円高に転じるのではないかとの見方も多くあります。

 

なぜなら、ヒラリー氏には数多くの疑惑がある上に、深刻な健康問題まであるからです。

 

 

 

一方で、トランプ氏になると、「1ドル97円も」と言われています。

 

 

 

という事で、今週は相場も荒れる可能性が高いでしょう。

 

十分に気をつけて臨んでください。