無法地帯

 

世界の現状がどうなっているのか、相場がどうなっているのか、情報収集をすればするほど、「まるで無法地帯のようだな」と思います。

 

 

 

ビットコインなどの仮想通貨は、「仮想通貨価格、組織的なグループが価格操作で収益上げる」「仮想通貨市場は依然として無法地帯」等と報じられています。

 

そして実際に相場を見ていると、たしかに「あれ?」と思う事が何度もあります。

 

例えば「値段が上昇した」事を確認した直後にニュースを見たら「下落した」という記事が、「値段が下落した」事を確認した直後にニュースを見たら「上昇した」という記事が出ている、といった事が何度もありました。

 

これはおそらく、「値段をつり上げてから暴落させる」「値段をつり下げてから暴騰させる」という事が繰り返し行われている背景があるのだと思います。

 

 

 

ビットコインについては、セキュリティ対策ソフトMcAfee創業者のジョン・マカフィー氏が「2020年までに100万ドル(約11000万円)になる」との予想を出したかと思えば、デンマークの投資銀行サクソバンクが「1000ドル(約11万円)まで下落する」との予想を出すなど、予想が割れているのですが、投資家としてはどちらか一方向に動いてくれた方が稼ぎやすいのは間違いありません。

 

 

 

相場の無法地帯ぶりを象徴する話としては、著名投資家のデービッド・アインホーン氏が運用に苦戦しているそうで、「眠れぬ夜が続いている。家庭内は離婚の危機だ」とぼやいたことがウォールストリート・ジャーナルで報じられています。

 

要するに最近の相場は、著名投資家も苦戦するほど、これまでの常識の延長線上では理解できない展開になっているという事なのです。

 

 

 

ニュースについても同様で、例えば以下のような事がありました。

 

 

 

・ドイツがトルコへの緊急支援検討、難民危機再来を懸念=関係者

 

(ウォールストリート・ジャーナル)

 

 

 

・ドイツ、トルコへの金融支援は検討しておらず=政府当局者

 

(ロイター)

 

 

 

近年はこのように、「いったい、どちらの話が本当なのか?」と言いたくなるような報道がたびたびあります。

 

 

 

このような中、元CIA(アメリカ中央情報局)諜報員のグレン・カール氏は、「アメリカが第二次世界大戦後に一貫して築いてきたEUNATO、中東諸国との関係をぶち壊す方向へ着実に進んでいる」という事で、トランプ大統領の事を痛烈に批判していますが、たしかにトランプ大統領になってから、世界はどんどんおかしくなっているように思います。

 

 

 

現在アメリカではトランプ大統領を弾劾しようという動きが出てきていますが、トランプ大統領本人は「もし自分が弾劾されれば、株価は暴落する」と警告を発しています。

 

今後は、この弾劾に関するニュースにも注意を払った方が良いでしょう。

 

個人的には、世界と相場の安定のためにも、トランプ大統領が弾劾され、副大統領のペンス氏が大統領になった方が良いのではないかと思っています。

 

 

 

「無法地帯ぶり」に関しては、今後は特に中東情勢に注意を払うべきだと思います。

 

日本の外務省が運営する「海外安全ホームページ」では、「レベル1:十分注意してください」から「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」まである中で、中東は15カ国中12カ国でレベル1からレベル4の注意喚起が出ています。

 

 

 

中東情勢に関わってくる事で、以下は押さえておきたいポイントです。

 

 

 

・シリアの内戦の激化(アメリカ・イスラエル・サウジアラビア・アラブ首長国連邦vsロシア・イラン・イエメン・シリアの構図)

 

 

 

・世界最大の石油会社サウジ・アラムコの突然の上場計画中止

 

 

 

・サウジアラビアがイエメンから182発の弾道ミサイルを撃ち込まれる

 

 

 

・ドイツとロシアがアメリカへの対抗で歩み寄り、ガスパイプラインの推進で合意

 

 

 

・フランスのマクロン大統領が、EUの安全保障はアメリカに頼れないからロシアと協力するよう呼び掛け

 

 

 

・ロシアが過去最大の軍事演習を9月に実施し、中国も参加

 

 

 

 

 

先々週のコラムでもお伝えしたように、現在世界が反米で団結する流れになってきています。

 

その意味でも中東情勢に注目で、ドイツやフランスがロシアに歩み寄っているのが大きな変化です。

 

ところが欧州では、イタリアが難民問題でEU本部と衝突し、ドイツ銀行では1000人削減されるという話が出てきています。

 

イギリスもEUとの離脱交渉がまとまらずに、先行き不透明です。

 

メイ首相が「合意なき離脱でも、この世の終わりではない」と発言し、バルエニEU主席交渉官が「イギリスに前例のないパートナーシップの提示を用意している」と発言していますが、日本のパナソニックは欧州本社をイギリスからオランダへ移転させることを決めました。

 

やはりイギリスの先行きが不透明だからです。

 

 

 

現在はこのような世界情勢となっていますが、こうした世界の動きに取り残された感があるのが我が日本です。

 

しかしだからこそ、いざ何か事が起これば、円が買われやすい地合いにあると言えるのではないかと思います。

 

 

 

円高を意識しつつ、根気強く取り組む事が大事ではないかと思います。