為替は1日24時間、月曜早朝から土曜早朝まで動いています。
つまり、1週間で120時間動いているという事になります。
先週、ほとんどの通貨、金や銀において、その120時間中の「わずか1時間」の間に週の最高値と最安値を付ける展開となりました。
極端に変な値動きだと思います。
これは、市場が米国ワイオミング州ジャクソンホールでの会議に注目していたからこその値動きという事なのでしょうが、残り119時間においては「一部の通貨を除いて、ほとんど動いていない」といった感じで、「いつチェックしても同じような値段にある」といった様子でした。
ドル円においては、週の始値が109.35円、週の終値が109.32円で、その差はわずか0.03円です。
金や銀においても同様な感じで、直近2カ月間のボラティリティー(価格変動率)は、過去12年間で最低となっています。
最近は、日経平均も「虫眼鏡相場」と言われたりしていますが、先週は19353円から19452円の間での推移となっており、ほとんど動いていません。
日銀が人為的介入を繰り返すので、このようになっています。
率直に「厄介な相場になっているな」という印象です。
日本国債においても「10年物が何日も取引がない状態」で、短期金利先物市場でも「ほとんど誰も取引していない状態」だと報じられています。
さらに、翌日物金利先物が「取引需要がない」という事で7月に取引が停止されたと報じられています。
相場全体がどうも非常におかしな様子です。
前述の「事実上の固定相場だ」以外にも「市場が死んだ状態」「市場が荒廃、廃墟化している」といった声も上がっていますが、はたして、このような状況がずっと続くのでしょうか?
今年に入って、北朝鮮は頻繁にミサイルを発射しています。
26日の土曜日にも3発を発射したと報じられました。
しかし、頻繁にメディアでクローズアップされている北朝鮮問題も「茶番劇だ」という見方が強く、相場がほとんど反応しなくなっています。
いつかは大きく反応する日がくるのでしょうか?
このような中、市場関係者が語る北朝鮮問題以上のリスクが「米国政府閉鎖」のリスクです。
実は、これは過去にも何度かあるのですが、ビル・クリントン政権期の1995年から1996年にかけての政府閉鎖の際には、368の国立公園、国立美術館、博物館、科学館などが閉鎖されました。
またパスポートの発給が停止し、20万人に影響が出て、毒物処理機関が閉鎖され、社会保障給付や恩給が停止されたといいます。
ニューヨークはゴミの山に埋もれ、警察もいなくなり、学校も休校となったそうです。
2013年にも政府閉鎖が起こりましたが、この時は、日本のNTTデータが「2013年10月1日から16日間継続した政府シャットダウンは、ほとんどの連邦政府機関における機能停止と様々な政府サービスの停止を引き起こし、米国の経済活動に多大な影響を及ぼした」と述べています。
このような米国政府閉鎖のリスクについて、ゴールドマン・サックスは「今年は米国政府が閉鎖する可能性が75%ある」と語っています。
かなり高い可能性です。
だからなのでしょうか。
前述のジャクソンホールでの会議の結果、ユーロドルは2年ぶりの高値を付け、一時1.1941ドルまで上昇しました。
しかも、上昇の理由が「ドラギECB総裁がユーロを押し下げるような発言をしなかったため」となっています。
ユーロに対しての強気発言が出たということであれば理由は分かりますが、実際そうではなく、両者を比較した際にドルの不安要因の方が大きいからという事のようです。