日米の気になる現状を挙げてみたいと思います。
まずは、日本です。
「アベノリスク」なる言葉が聞かれます。
安倍首相の経済政策「アベノミクス」に対して、裏に潜むリスクを表現する言葉です。
これまでは、日本株のセールスポイントとして、「政権安定度」が挙げられていました。
海外からも評価されていたのですが、ここにきて連日のように報道されている「森友学園」の問題は海外でもかなり報道されており、「政権安定度」が危うくなってきています。
森友学園問題の疑惑が盛り上がるさなか、安倍首相が主要メディアの関係者を集め、赤坂飯店で夕食を食べた事がネット上で騒がれています。
赤坂飯店で夕食を食べたのは、報道統制が目的だろうというわけです。
しかし、これには裏話があって、本当に口止めしたかったのは「第2の森友学園」疑惑のようです。
「第2の森友学園」とは、加計学園の事です。
加計学園とは巨大な学校法人で、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学、岡山理科大学専門学校、玉野総合医療専門学校など、多くの学校を運営している学校法人です。
そして、この加計学園が愛媛県今治市に岡山理科大学「獣医学部」建設用地を無償で取得した疑惑が浮上してきています。
無償で取得したとされる「獣医学部」建設用地は、36億7500万円相当との事です。
加計学園問題も、森友学園と同様に安倍首相との関係が疑われています。
「政権安定度」が揺らいでくると、日本株の下落にも繋がりかねず、日本株の下落は円高を招きます。
したがって、森友学園問題も加計学園問題も今後の展開に要注目です。
次に、アメリカです。
ここにきて、急に「3月利上げ」の声が大きくなってきています。
FRBの理事は現在2名空席なのですが、この度タルーロ氏も辞任を表明しました。
したがって、3名の空席となります。
さらに、ブレーナード氏の辞任まで噂されています。
このような状況の中、トランプ政権が自らの息のかかった理事を次々と送り込んでくるのではないかと言われています。
トランプ政権はゴールドマン・サックスなどの投資銀行家達を多く採用しており、こういったメンバー達がFRBの理事に就任すると、緩和優先、規制撤廃となりそうです。
緩和優先、規制撤廃は、ドル安を招きかねないものです。
したがって、そうなる前にブレーキをかける必要があるだろうとの事で、3月利上げの声が高まっているようです。
FRBとしては、自らの独立性を主張しなければならないというところでしょうか。
実際に、イエレンFRB議長は直近の講演で「経済が予想通り進展すれば3月利上げは適切」と述べ、ドル高円安となりました。
ところが、ドル高円安の反応は一時的で、その後すぐにドル安円高となりました。
やはり、ドル高円安、ドル安円高のどちらに動いていくかは判断の難しいところで、市場もしばらく様子見となりそうな気がします。
そんな中、注意を払った方が良さそうなのが「アメリカの債務上限引き上げ問題」です。
昨年5月に、トランプ氏は「私は借金するつもりだ。経済が破綻しても取引できることは分かっている」と述べましたが、その事がここにきて不安視されています。
今月の3月15日は、アメリカの債務上限引き上げ期限となっており、この日までに米議会が債務上限の引き上げを承認しないと、新たな国債発行が不可能となります。
新たな国債発行が不可能になれば、米財務省の現金は枯渇するわけで、現金が枯渇すれば政府活動が停止します。
だからこそ、トランプ氏の「経済が破綻しても取引できる」といったデフォルト容認発言が不安視されているわけです。
危機は回避されると思われますが、ある意味普通ではない政権なので、「万が一」が現実になると、大幅なドル安となります。
以上、日米の気になる現状について述べましたが、一言で言うと「油断禁物」といった感じです。
これから先、皆さんも注意深く取り組んでいただければと思います。