先日、友人の投資家仲間達とお酒を飲む機会がありました。
みんな口を揃えて、「おかしな相場が続いているな」と言っていました。
「〇〇さんが大損したらしい」
このような話を聞きました。
〇〇さんというのは為替界で間違いなくトップクラスの人で、長年ずっと安定して優秀なトレード成績を継続してきた人です。
一方で数年前、為替界で別の人になりますが、トップクラスと言っても過言でない人が大損をした、という事がありました。
ちなみに、両者とも外資系大手金融機関で多くの部下を統率していたトップクラスのトレーダーになります。
数年前、私は大損話を聞いて驚いたものですが、今回も当時と同じくらいの衝撃を受けています。
しかし同時に、「今の相場がそれだけおかしい証拠でもある」と思いました。
こういった相場の「おかしさ」については、年々酷くなっていると言えます。
これまでにも何度か語った事がありますが、2年前には「1000のヘッジファンドが立ち上がったけれども864のファンドが閉鎖した」という事があり、昨年初め頃には「1995年3月以降6400%という極めて優秀な利回りを出していたファンドが『最近の相場が不合理すぎる』という事を理由に閉鎖を決定した」という事がありました。
しかし、そんな2年前や昨年よりも更に酷いのが今年の相場になります。
最近のコラムでもお伝えしましたが、原油市場で「神」と呼ばれるトレーダーが自身のファンド閉鎖を決意した、という事がありました。
さらに業界の「プロ」と呼ばれる人達の話を聞いていても、みんな口を揃えて言います。
「一体全体、どうなっているのだ!?」
さて、このような状況ですが、前述の投資家仲間達との会話を再現してみます。
「今の相場の『おかしさ』について、どういう譬えが分かりやすいかな?」
「ティッシュペーパーとダイヤモンドの価格が逆転するくらいおかしい、といった感じだろうか?」
「そんな感じかもしれないね」
「今は昔からの王道に則って『ストップ』を入れて短期売買を繰り返している人ほど損しているみたい。必ず『ストップ』に引っかかり、損切りで資金が削れていく」
「たしかにね」
「でも何だかんだ言って、結局は値段って戻るものだよね」
「そう、結局は値段が戻る。だから、ストップで損切りを繰り返すよりも耐え抜く方が賢い」
「でも、私の知り合いで最近200万円を1200万円にした人がいるよ」
「それは凄いね!」
「でも、よくよく聞いてみると、その人は昔からギャンブルトレードを繰り返していて、200万円を1200万円にする前は、6000万円も損したって。だから今回は冷静で、たまたま運良くいっただけだろうって言っていた」
「しかし、なんで相場がこんなに『おかしく』なったのだろうか?」
「不正操作もあるし、AIやHFTといったコンピューター同士のやり合いもある。さらに日銀による相場操縦もあるわけだから、相場がまるで無法地帯のようになっている」
「やっぱり、そういう事だよね」
投資家仲間達と、上記のような会話をしていました。
何となく現在の相場の「雰囲気」が伝わるかと思います。
そして投資家仲間達との共通認識として、「何だかんだ言って、結局いつか値段は戻る」「だから、ストップで損切りを繰り返すよりも耐え抜く方が賢い」という事があり、そこに相場対処のヒントがあります。
やはり、「資金管理」と「耐える」が昨今の相場への対処法と言えそうです。