忙しい一週間

 

「今週は忙しい一週間になりそうだ」

 

市場では、このように言われています。

 

以下のような重要イベントを控えているためです。

 

 

 

612

 

米朝首脳会談

 

 

 

613

 

FOMC(米連公開市場委員会)

 

 

 

614

 

ECB(欧州中央銀行)定例理事会

 

 

 

 

 

米朝首脳会談については、FX会社の方でも「すでに報道されております通り、シンガポールにて現地時間6/12(火)午前9時(日本時間午前10時)にトランプ大統領と金正恩委員長による米朝首脳会談が予定されており、その内容次第では為替相場の急変動が続く可能性がございます」という事で、注意喚起をしています。

 

トランプ米大統領が「朝鮮戦争の終結合意に署名する可能性がある」と述べている一方で、「北朝鮮の対応次第では、いつでも席を立つ準備がある」とも述べているので、「どのような結果になるのか?」という事で、注目が集まっています。

 

 

 

FOMC(米連邦公開市場委員会)については、雇用統計でも明らかになっているように、現在のアメリカは完全雇用に近い状態で、一方でインフレ圧力も強まる兆候が見られるため、政策金利を0.25%引き上げることが予想されています。

 

しかし現在の世界は貿易論争が激化していますし、北朝鮮やイランなど地政学的リスク存続しており不透明感が強いので、パウエルFRB議長の会見内容やFRBメンバー達の予測にも注目が集まっています。

 

そしてこれらについても、やはり内容次第では為替相場の急変動が続く可能性があります。

 

 

 

ECB(欧州中央銀行)定例理事会については、ECBの政策当局者が資産買い入れ策の終了を議論する見通しを示唆していますが、「イタリアはどうなるのだ?」「イタリアの債務膨張リスクが懸念されるため、イタリア国債の購入は避けなければならない」と語っているトレーダー達も少なくないため、これらについても、やはり内容次第では為替相場の急変動が続く可能性があります。

 

 

 

一方で余談かもしれませんが、614日からはサッカーワールドカップ・ロシア大会が始まります。

 

ワールドカップは715日まで続きますが、海外のトレーダーの中には、サッカー好きも多く、この時期には大きなポジションを取らない傾向があります。

 

常に「仕事、仕事」となりがちな日本人とは違う感覚です。

 

過去のワールドカップ期間中の相場値動きを見てみますと、ボラティリティ(価格変動性)が小さくなる傾向にあることには留意したいところです。

 

 

 

結局のところ、どのような相場展開になるかは上記重要イベントの内容次第と言ってもよく、それだけに市場の注目が集まっています。

 

 

 

先週のコラムでも述べたように、相場は動かないことには始まりません。

 

例えば、これは過去のコラムでも述べていますが、Brexit(ブレグジット、イギリスがEU離脱を決めた日、2016624日)の値動きは以下のようになっています。

 

 

 

ドル円:   始値106.11円 終値102.11円 始値と終値の差4.00

 

ユーロ円: 始値120.82円 終値113.47円 始値と終値の差7.35

 

ポンド円: 始値157.69円 終値139.61円 始値と終値の差18.08

 

 

 

 

 

一方で201811日から現在(201869日)までの値動きは以下のようになっています。

 

 

 

ドル円:   始値112.63円 終値109.51円 始値と終値の差3.12

 

ユーロ円: 始値135.19円 終値128.87円 始値と終値の差6.32

 

ポンド円: 始値152.07円 終値146.78円 始値と終値の差5.29

 

 

 

 

 

上記の値動きを見ても分かるように、今年もまもなく半分が過ぎようとしていますが、その間の値動きはブレグジットのあった2016624日の「一日の値動き」も満たしません。

 

このように値動きが小さくなっている要因としては、「トランプ大統領の発言があまりにも二転三転するから、非常に動きづらくなっている」「AI(人工知能) VS  AI(人工知能)となっている中で、AIが短期売買に終始しているから」等と言われています。

 

 

 

要するに昔と比べて、相場環境が変化してきているのは間違いありませんが、だからといって私達投資家も短期売買に終始すればいいかというと、それもまた違うと思います。

 

これも過去のコラムで述べていますが、書籍「人工知能が金融を支配する日」(東洋経済新報社)にも書いてあるように、「100万分の1秒で売買を執行する」「過去の相場の動きだけではなく、取引可能なあらゆるデータのパターンを解析して」というAIに私達投資家が短期売買の勝負を挑んだとしても、ほとんど運任せになると思われますし、分が悪いと考えられるからです。

 

 

 

しかし決して希望が無いわけではありません。

 

「負けなければ勝つ」が相場の真理ですので、負けない限りは遅かれ早かれ必ず勝てるからです。

 

問題は現在のような値動きの小さい相場環境下で、どうすれば少しでも効率が良くなるか、という事です。

 

 

 

これについては前回コラムでもお話しましたが、ビットコインFXを実験的に運用する事によっても手応えを感じていますし、またビットコインFX、為替、金・銀も含めて、もっと効率良くできそうなパラメータが無いかを常に模索しています。

 

 

 

パラメータの模索とは、本手法でいえば、「1時間足」「4時間足」「日足」「週足」の「色」や「最大ナンピン回数」、ボリンジャーバンドの偏差、相場観の売買への反映のさせ方などです。

 

 

 

いずれにせよ、徹底しているのは「負けなければ勝つ」という事で、この点については信念を持ってやっています。

 

 

 

しかし昔のように、いざある程度のボラティリティ(価格変動性)が戻ってきましたら、すべては解決する可能性もあります。

 

特に今週は上記のような重要イベントを控えているため、値段が大きく動く可能性もあります。

 

 

 

一方で現在のような値動きが今後も継続する場合、もっと効率良くできそうなパラメータが見つかれば、その際は皆さんにもお伝えできればと思っています。

 

 

 

相場は動かないことには始まりませんが、過去のコラムでもお伝えしたように、日本証券業協会のホームページでは「欧米ではリッチマンになりたければ孤独に耐えろと教えるのが通例」といった説明がなされています。

 

 

私達も忍耐を持って取り組んでいきましょう。