中国リスク

 

最近、中国のリスクについて聞く機会が増えました。

 

ですので、今回は中国について触れたいと思います。

 

 

 

中国については、非常に多くの専門家がそのリスクを指摘しています。

 

一方で、著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、中国に積極投資をしている事で知られています。

 

中国について、私達はいったいどのように解釈したらよいのでしょうか?

 

 

 

本コラムでは、なるべく中立的な立場で、「事実」を把握していきたいと思います。

 

 

 

まずは、非常に多くの専門家が指摘している中国のリスクについて考えたいと思います。

 

私が方々で語っている事でもありますが、今年の初め頃、以下のような記事がブルームバーグから出ました。

 

【コラム】6400%リターンの運用者も白旗掲げた今の市場-ギルバート

 

 

 

上記記事は、1995年3月以降6400%ものリターンを叩き出したファンドが、今年に入って閉鎖を決めたという内容です。

 

ファンド責任者は、閉鎖理由として「最近の相場が不合理すぎるから」と語っていましたが、不合理になっている要因として、HFTなどのコンピュータによる超高速取引、そして「中国」等を挙げていました。

 

中国については、「世界における中国の重要性が増しているにも関わらず、経済指標の信頼性が低いために分析しにくくなっている」との事でした。

 

 

 

ここでのポイントは、中国の発表する経済指標の信頼性です。

 

多くの専門家も指摘していますが、中国の発表するGDP成長率はあてにならない、電力消費量や貿易統計なら信頼しても大丈夫、との事です。

 

 

 

その中国の貿易統計ですが、今月発表されたものでは、貿易総額が前年同月比6.6%減、輸入が前年同月比1.9%減で、輸出が前年同月比10.0%減です。

 

明らかに経済が減速しています。

 

日本での「爆買い」に関しても、一人で10個も20個も炊飯器を買って帰る中国人がたくさんいる訳ですが、まさにその炊飯器を売っていた象印の社長は、「爆買い、ピークは過ぎた」と語っています。

 

 

 

さらに、把握しておきたい事があります。

 

ゴールドマン・サックスによると、この5年間に月平均で4600億円、1年間で55200億円ものお金が中国から流出し、今年8月においては、28800億円ものお金が中国から流出したとの事です。

 

中国には多くの資産家がいますが、資産を持って国外に脱出しようという動きが止まらないようです。

 

実際資産1億円以上の中国人はなんと80%が中国を出たいと考えていて、そのうち50%はすでに手続きをしている、との事です。

 

なぜ、資産家が、つまり金持ちが逃げようとするのかと言えば、それはいつ何どき共産党政権に自分の個人資産が差し押さえられるかもしれない、という恐怖感を持っているからだといいます。

 

中国人はあの4000年にわたる歴史の教訓として、「国は人民を裏切るものだ」という考え方が染みついているようです。

 

 

 

一方で、上記のような状況にも関わらず、ジム・ロジャーズ氏はなぜ中国に強気なのでしょうか?

 

昨年、ヤフー・ファイナンスの取材に応じたロジャーズ氏は、「中国経済にも問題は起こるし、もちろん我々は心配すべきだ。世界中どこでも問題は起こる。だが、もしあなたが中国で汚染除去を生業にしているなら、あなたは儲かりすぎて自分の金を数えることもできまい。なぜなら、中国には解決されなければならない問題が山ほどあるからね」と語ったそうです。

 

人々の発想とは逆の発想ですね。

 

 

 

また、ロジャーズ氏は、「19世紀は英国の時代、20世紀は米国の時代、21世紀は中国の時代である」という考えを持っているようです。

 

歴史的な大局観をもって投資しているようです。

 

 

 

というわけで、簡単に説明をさせていただきましたが、皆さんはどう思われたでしょうか?

 

 

 

私個人としましては、昨年8月にチャイナショックがありましたが、第二弾、第三弾のチャイナショックは起こり得ると思っています。

 

その際は、昨年同様に世界同時株安、急激な円高進行、といった展開になるだろうと思います。

 

 

 

皆さんにおかれましては、中国リスクへの警戒は怠らずに、心の準備はしていただけたらと思います。