相場には様々なテクニカル分析があります。
移動平均線、ボリンジャーバンド、RSI、ストキャスティクス、MACD・・・・・
挙げればキリがありません。
一般的に、トレンド相場にはトレンド系(順張り系)のテクニカル分析、レンジ相場にはオシレーター系(逆張り系)のテクニカル分析が良いとされています。
したがって、年がら年中「完璧」なテクニカル分析というものはありません。
「当たる」時もあれば「外れる」時もあります。
最終的に価格を決めるのは需給です。
「買い」が多ければ上がりますし、「売り」が多ければ下がります。
ですので、テクニカル分析を学ぶ事は良い事ですが、「完璧」なものは無いという自覚を持ちながら学ぶ事が大事です。
テクニカル分析の中には、形状分析とも呼ばれるものがあります。
名前の通り、チャートの形状から分析するのですが、チャートが「W」の形を形成していたら、「ダブルボトム」で「買い」となり、「M」の形を形成していたら、「ダブルトップ」で「売り」と判断されます。
このあたりは、一般的に知られるところですね。
先日もロイターで、「ドル円がテクニカルでダブルボトム完成に近づく」と報じられていました。
また、他にもヘッドアンドショルダー(三尊天井)の「売り」やヘッドアンドショルダーズ・ボトム(逆三尊底)の「買い」も有名ですし、ペナント(三角持ち合い)やフラッグも有名です。
しかし、これらも「完璧」ではありません。
やはり、「当たる」時もあれば、「外れる」時もあります。
では、なぜ多くの投資家が「テクニカル分析」を活用するのでしょうか?
結論を言えば、儲けるためであり、そのための「買い」か「売り」かの判断をする為です。
ただし、市場参加者の全員が同じ分析をしているわけではありません。
ファンダメンタルズ分析を重視する投資家もいれば、テクニカル分析を重視する投資家もいますし、投資家それぞれによって用いている分析方法が違うものです。
要するに「完璧」なものは無いわけですが、それでも多くの投資家がファンダメンタルズ分析にせよ、テクニカル分析にせよ、「買い」「売り」どちらかの「意識」を持った結果が価格に反映されるという事です。
さて、今回のコラムでこのような説明をしましたのも、個人的に「気になる」事がある為です。
お時間のある方は、NYダウやS&P500のチャートを見ていただきたいのですが、1987年のブラックマンデー直前の値動きと現在の値動きが酷似している事に気づかれると思います。
ブラックマンデーは1987年10月19日に起こりました。
29年前のこの時期です。
ダウの下落率は22.6%にも達し、凄まじい暴落となりました。
当然、それは世界にも波及し、世界的株価大暴落となりました。
ここで、ポイントは「1987年のブラックマンデー直前の値動きと現在の値動きが酷似している」事をどれだけ多くの投資家が意識しているかです。
もしかしたら、何事もなく過ぎ去るかもしれません。
しかし、もしかしたら再び大暴落があるかもしれません。
「1987年のブラックマンデー直前の値動きと現在の値動きが酷似している」というのも、ひとつのテクニカル分析なのですが、ぜひ、警戒しつつ臨んでいただきたいと思います。