投資家として、私は長年の「習慣」があります。
それは、例えば以下のようなものです。
ドル円:2017年7月31日~2017年8月4日
(始値110.63円 高値111.05円 安値109.85円 終値110.66円)
【チェック項目】
・110.63円⇒110.66円 (0.03円の変動で終了)
・0.42円(高値 ― 始値)
・0.78円(始値 ― 安値、下ひげの長さ)
上記のような分析を長年継続しています。
ちなみに、上記を見ても分かるかと思いますが、プロ達の間でも最近の相場に関しては「虫眼鏡が必要なくらい値動きが少ない」と言われています。
さて、このような値動きの「数字」チェックを習慣とする目的は色々あるのですが、以下のようなものがあります。
・過去と比べて値動きがどうかを知る
・異変を察知する
・値動きを自分の「潜在意識」に刻む
このような事を継続しながら、ファンダメンタルズもチェックしています。
ファンダメンタルズはたくさんありますが、ドル円でしたら以下のようなものがあります。
・米雇用統計などの重要イベント
・要人発言の内容
・米国株、日本株の動き
・米国債利回り
・その他(原油動向、人口に関する考察、住宅事情・・・)
つまり、私は「ファンダメンタルズなどの要因」「長年の値動きチェックから刻んだ潜在意識」といったように、その両面から値動きを捉えるようにしています。
さらに、それらは他通貨や「金」「銀」などにも及んでおり、お互いの値動きがどう関係し合っているかという「相関関係」にも及んでいます。
もちろん、一般の方がここまでやる必要はありません。
しかし、長年ここまでやっているからこそ見えてくるものがあります。
そこで見えてきたものが最近のコラムでずっと主張している「値動きがおかしい」であり、それは「確信」レベルに至っています。
そんな「値動きがおかしい」には3パターンあります。
・上がるべき場面で下がる
・下がるべき場面で上がる
・値段が動かない
もちろん、こういった事は昔からいくらでもあります。
だからこそ、週足±3σによるリスク管理、勝つまで耐え、勝ってから利食いする本手法に辿り着いたのです。
ただし、「値動きがおかしい」がかつてないほど「長期」に至っているのが今年の相場の特徴です。
「そろそろ終わるだろう」が「いつまでも続いている」といった状況です。
従来でしたら「一時的」で済んでいたものが、あまりにも「長期」に至っているのです。
そして、この「長期に至っている」の象徴が投資銀行界の雄であるゴールドマン・サックスにも現れています。
ゴールドマン・サックスは、かつてクオンツ投資(コンピューターを駆使した売買)の75%を失った経験があります。
投資銀行界の雄として「あり得ない」くらいの惨状だったのですが、それが今やAIの進化によって、2000年にニューヨーク本社の現物株式取引部門に配属されていたトレーダーが600人だったのに対し、今ではわずか2人だそうです。
AIがかつてと比べ物にならないくらい優秀になってきたという事であり、時代変化の象徴でもあると思います。
ゴールドマン・サックス全体ではなく、ニューヨーク本社の話ではありますが、600人が2人というのは尋常ではありません。
そして、そんなAIは人間ではなく機械です。
機械という事は、どんなプログラムがなされているかが重要です。
そのプログラムによって売買がなされるからです。
つまり、これらから推理できるのは、AIによる売買が、物事を総合的に判断する人間の感覚からすると「おかしい」がために、「おかしい」値動きに至っていると考えられるのです。
そしてそんなAIが跋扈しているがために、「値動きがおかしい」が長期に至っていると考えられるのです。
そうすると、対策としては「蛇の道は蛇」になるかと思います。
本手法は、元々「値動きがおかしい」を前提に対策として辿り着いた手法ですが、そこに外資系投資銀行の戦略も追加で参考にできれば、より良いかと思います。