危機管理

 

先々週の末にトルコでクーデターがあり、【(重要)トルコ情勢悪化(軍の一部クーデター)に伴う相場変動に関するご注意】という事で、FX会社各社が注意喚起を出していた事を先週お伝えさせていただきました。

 

「クーデター」は失敗と報じられ、いったん相場も落ち着いた様子ですが、まだまだ油断禁物です。

 

 

 

昨年の12月になりますが、私は本コラムで以下のようにお伝えしていました。

 

【トルコがロシア軍機を撃墜した事件がありました。

 

ロシア国防省によると、世界各地でテロを起こしているISIS(イスラム国)を支援しているのはトルコであり、ロシアがISISの石油関連施設を爆撃した報復が今回の事件の要因だとの事です。

 

トルコのエルドアン大統領の娘はISISのメンバーで、ISISの負傷兵を治療するトルコ軍の秘密病院の運営に関わっているとの事です。

 

一方で、エルドアン大統領の息子は海運会社を経営しているのですが、この息子がISISの幹部と親しく食事をしている写真が出回っているそうです。

 

ISISが中東地域で奪った原油は、エルドアン大統領の息子の海運会社を通じてアジアに売られており、日本向けのタンカーにも船積みされたという情報があります】

 

 

 

エルドアン大統領は黒い噂の絶えない人物です。

 

今回のクーデター未遂事件も様々な「裏」がありそうです。

 

トルコは今回の事件に関して、イスラム教穏健派指導者であるギュレン氏が関わったとして、米国滞在中の同氏の身柄引き渡しを求めています。

 

一方で、ギュレン氏は今回の事件はエルドアン大統領の自作自演だと発言しています。

 

 

 

エルドアン大統領は滞在先のホテルから間一髪で脱出し、ホテルでは大統領を警護する特殊部隊とクーデター軍との銃撃戦があったそうです。

 

ホテル脱出後、エルドアン大統領はヘリに乗り込みますが、2機のF-16戦闘機が後を追っていたそうです。

 

 

 

トルコの首都アンカラでは、国会議事堂が爆撃され、トルコ国営放送では女性キャスターが引きつった表情で「軍が全権を掌握した」とする反乱軍の声明を読み上げました。

 

 

 

日本では考えられないような展開ですね。

 

トルコに進出している日本企業は110社あるそうですが、今後の方針は見直しとなりそうです。

 

そして、冒頭で「まだまだ油断禁物」と言いましたが、気になる情報があります。

 

軍のヘリ42機、14隻の戦艦が行方不明となっているそうです。

 

「自国の平和運動」を名乗る反乱分子が存在し、今後も戦いを継続する姿勢を強調しているそうです。

 

したがって、いったんクーデターは未遂に終わったかのように見えますが、今後事態が二転三転する可能性が残っています。

 

 

 

一方で、大きなニュースとして、トルコのクーデター未遂事件の前には、フランスのニースでフランス革命記念日を祝う花火の見物に集まっていた群衆へのトラック突入テロ事件がありました。

 

84人が死亡するという痛ましい事件でした。

 

フランスのDGSI(国内治安総局)長官は、「イスラム世界との軋轢が起こると、内戦が起きる危険がある」と警告していますし、今回のテロ事件を受けて、フランスの非常事態宣言は6か月延長となりました。

 

非常事態宣言は、令状無しでの逮捕、家宅捜索を許し、報道や集会などの自由も制限します。

 

 

 

他に気になるニュースとしては、米警察官の黒人射殺事件をきっかけに、今度はテキサス州ダラスで警察官が相次いで射殺される事件がありました。

 

今後も事件の連鎖が起こる可能性があり、気がかりです。

 

 

 

また、イギリスではポンドの急落によって、旅行を取りやめる動きが加速し、英旅行会社「ローコスト・トラベルグループ」が11万人の予約を残したまま破綻したと報じられています。

 

 

 

直近では、ドイツで、南部ミュンヘンにある大型商業施設オリンピア・ショッピングセンターの近くで、男が銃を乱射したとの事件が報道されています。

 

 

 

このように、世界を見渡してみますと、日本がいかに平和か分かります。

 

米大統領候補のトランプ氏にも「平和ボケの日本」と指摘されましたが、私たちが平和ボケでいられるのは非常にありがたい事です。

 

しかし、世界の混乱は相場の混乱にも繋がりますし、相場に取り組むにあたっての「平和ボケ」には注意しなければなりません。

 

最低限のリスク管理、資金管理は必須です。

 

 

 

先日、天皇陛下の「生前退位」報道がありましたが、まさに時代の転換点の象徴のように思います。

 

 

 

相場においてのリスク管理、資金管理が必須なのは鉄則ですが、このような時代だからこそ、より一層のリスク管理や資金管理の徹底が必要であると思います。

 

 

 

最後に重要な情報としまして、720日のブルームバーグで【HSBC上級幹部をニューヨークで逮捕、為替指標操作の捜査-関係者】という記事が出ていました。

 

米司法省が3年にわたっての捜査の末の逮捕との事です。

 

 

 

為替相場も株式相場も、残念ながら価格操作があります。

 

最近の相場に関しましても、プロトレーダー達の間で「何だか変」「おかしい」「不可解」「価格操作か?」「価格操作だとしたら由々しき問題」等の声が実際に挙がっています。

 

価格操作の可能性は大いにあると思いますが、判明するのに数年はかかるかもしれません。

 

 

 

したがって、まずは再度のリスク管理、資金管理を徹底し、前回のコラムも参考に、今後も慎重に相場に臨んでいただきたいと思います。