Sell in May and go away, but remember to come back in September
(5月に売って出かけろ、しかし9月に再び戻ってくるのを忘れるな)
上記の文章は相場格言であり、同時にアノマリーでもあります。
アノマリーとは、明確に根拠はないけれどもよく当たると言われる経験則の事です。
上記の文章がなぜ生まれたのかと言いますと、「5月に売って」とあるように、6月から秋口にかけて株式相場が下がりやすい傾向にあるからです。
そして、「9月に再び戻ってくるのを忘れるな」とあるように、9月に株価が急落するケースが多く、9月に急落して安くなった株価を拾って翌年4月まで保有すれば、上昇して利益になるケースが多いからです。
ただし、ここで注意しなければならないのは、10月に急落するケースも多く、9月よりも10月に急落して安くなった株価を拾う方が良いケースもある事です。
しかし、いずれにせよ、9月もしくは10月に株価が急落するケースが多いので、急落したタイミングで安くなった株価を拾うのが良いだろうという意味です。
そんなわけで、今回はアノマリーについて言及したいと思います。
有名なところでは、「ジブリの法則」があります。
『天空の城ラピュタ』(宮崎駿原作・脚本・監督)、『となりのトトロ』(宮崎駿原作・脚本・監督)、『火垂るの墓』(高畑勲脚本・監督)などで知られるスタジオジブリの作品が日本テレビ金曜ロードショーで放映されると、高確率でその日(もしくは月曜日)のNY株式市場をはじめ海外指標や為替が大荒れとなり、週明けの日経平均株価が急落するという法則です。
これも明確に根拠はないけれどもよく当たると言われる経験則で、アノマリーとなります。
多くの投資家が意識している法則でもあります。
他にも法則とは言いませんが、「サザエさんの視聴率」も知られるところです。
サザエさんの視聴率が高くなると株価は下がり、サザエさんの視聴率が低くなると株価が上がるというものです。
要するに、視聴率と株価が反比例しているという事です。
サザエさんは自宅で観るものなので、視聴率が高いという事は人々が外出していないのではないか、家にこもっているのではないかという事で、消費低迷で株価に悪影響となりそうだというものです。
逆に視聴率が低いという事は、人々が外出しているのではないか、家にいないのではないかという事で、消費活発で株価に好影響となりそうだというものです。
これもアノマリーですね。
あと、いくつかご紹介します。
「2日から取引が始まる月は相場が荒れる」というもので、今年は5月が5月2日(月)であり、該当する月となっていました。
今年の5月はそれほど荒れませんでしたが、このアノマリーも覚えておきたいものです。
それから、「ゴトー日のドル買い」です。
ゴトー日とは5、10のつく日の事ですが、以前お伝えした仲値(日本時間9時55分)でも特にゴトー日の仲値でドルが買われやすいというものです。
そして、「米大統領選挙の株高」です。
中間選挙の年を底にして、大統領選挙の年に向かって株価が上昇するというものです。
今年はまさに大統領選挙の年ですので要注目です。
以上、簡単にアノマリーについて触れましたが、「株高=ドル高円安」「株安=ドル安円高」という傾向がありますので、為替相場においてもアノマリーは参考になると思います。
もちろん、アノマリーは「絶対」ではありません。
ただし、多くの投資家が意識している事でもありますので、皆様におかれましても、トレードの際の参考にしてみてください。