私は暇さえあれば本を読んでいます。
単純に好きだという事もありますが、役立つ知識を得るためでもあります。
「一流同士、分野が違っても話が通じ合う」と言います。
私も強く同感しますが、投資の分野と全く違う本を読んでいても、「何か通じるものがあるのではないか」と思いながら、読んでいます。
そんななかで最近読んだ本に、「限界を超える」をテーマとした対談形式のものがありました。
少し、ご紹介させていただきます。
ここでは、Aさんをインタビューアー、Bさんを「武道の達人」とします。
A:「武道の稽古というのは同じ型を繰り返すことが基本とされていて、その様式を繰り返すという部分が宗教等の修行に近いように思います」
B:「それは最初だけです。同じ型を繰り返すのは武道の稽古としては最悪です。武術の本質は人間の持って生まれた動きの特性から如何に自由になるかが武術の稽古です」
B:「“素振りを今日は100回やりなさい。次にこれをやりなさい”と言われたらその通りやれば良いから楽なわけですよ。疲れるかもしれないけど楽は楽ですよ。“好きにしろ”と言われたら一番大変じゃないですか。だけど一番大変なもののなかに大切なものが見つかる道があるわけですよ」
さて、ここでの会話で、投資の世界に通じるような考え方を発見できたでしょうか?
私の場合、投資の世界に置き換えた解釈は以下のようになります。
「投資の基本を繰り返し学んで自分のものとする事が大事。ただし、最初だけ、身に付くまで」
「ひとつの投資手法が身に付いたとして、それが思うようにいかずに損失を繰り返すのであれば、そこから抜け出して自由になる事を考えなければならない」
「“今日はこう投資しなさい。次にこれをやりなさい”と言われたらその通りやれば良いから楽なわけですよ。疲れるかもしれないけど楽は楽ですよ。“好きにしろ”と言われたら一番大変じゃないですか。だけど一番大変なもののなかに大切なもの(儲かる事)が見つかる道があるのです」
このような解釈になります。
そして、前述の会話の中に「武術の本質は人間の持って生まれた動きの特性から如何に自由になるかが武術の稽古です」というものがありますが、「人間の持って生まれた動きの特性」という部分を投資の世界に置き換えますと「相場における値動きの特性」と考える事ができます。
では、「相場における値動きの特性から如何に自由になるか」を考えた時に、ハッキリと分かる事があります。
それは、「レバレッジをかけすぎない」という事です。
現在、国内のFXは最大でレバレッジ25倍の取引ができますが、そういう事をやっていたら「相場における値動きの特性からの自由」に程遠くなるのは言うまでもありません。
なぜなら、「わずかな逆の値動きで、強制決済、即退場」となってしまうからです。
“値幅”に関しても同様の事が言えます。
「10銭逆の値動きで損切するのか、50銭なのか、2円なのか、10円なのか」といった具合です。
もちろん、値幅に余裕を持たせた方が“自由”だと言えます。
“負け”についても同様の事が言えます。
「1回の負けで退場になるのか、10回なのか、30回なのか、100回なのか」といった具合です。
もちろん、多くの“負け”にも耐えられるようにした方が“自由”だと言えます。
要するに、「相場における値動きの特性からの自由」を考えますと、「安全にやりなさい」という事が結論になります。
しかし、安全にやり過ぎますと、今度はリターンが“少ない”となります。
つまり、「リスクとリターン」のバランス感覚こそが、投資における“永遠のテーマ”なのです。
もし、過去にタイムスリップして投資ができるのであれば、全力で買ったり売ったりができますが、現実的には相場の未来は“神のみぞ知る”世界だからです。
「もっと大きく勝負しておけば良かった」「もっと小さく勝負しておけば良かった」というのは、後から振り返ってみて分かる事です。
まさに、前述のように「“今日はこう投資しなさい。次にこれをやりなさい”と言われたらその通りやれば良いから楽なわけですよ。疲れるかもしれないけど楽は楽ですよ。“好きにしろ”と言われたら一番大変じゃないですか。だけど一番大変なもののなかに大切なもの(儲ける事)が見つかる道があるのです」という事なのです。
私は自らの“経験”として、アドバイスはさせていただきます。
しかし、「一番大変なもののなかに大切なもの(儲ける事)が見つかる道があるのです」という言葉通り、ぜひ、ご自身でも投資の世界、相場の世界を“探求”していただければと思います。
“相場は生き物”と言われる通り、いかに行動するかは永遠のテーマですが、そこを探求する先に“儲かる事”があります。
まずは、「リスクとリターン」のバランスを意識してみてください。