今回は、スワップ金利について触れてみたいと思います。
しばしば、スワップ金利について聞かれる事があるからです。
日本では、ご存知の通り、マイナス金利が導入されました。
しかし、世界を見渡してみれば、日本のような国ばかりではありません。
例えば、ブラジルレアルは政策金利14.25%ですし、トルコリラは政策金利7.50%ですし、南アフリカランドは政策金利7.00%です。
他にも、ニュージーランドドルは政策金利2.25%ですし、オーストラリアドルは政策金利1.75%です。
このように、国によって金利というものは大きく異なってきます。
したがって、例えばFXで上記のような通貨を「買い持ち」した場合、スワップ金利と呼ばれる金利がもらえるわけですね。
そして、スワップ金利も決してバカにはなりません。
例えば、外為どっとコムでトルコリラ円を保有した場合、現状では1万通貨につき1日117円のスワップ金利がもらえます。
したがって、仮に10万通貨で保有すれば、1日1170円のスワップ金利がもらえますので、3か月も保有すれば、金利だけで10万円になるわけです。
一方で、逆に「売り持ち」した場合はスワップ金利を支払う羽目になります。
そうすると、「スワップ金利を支払うなんて嫌だ」と思い、スワップ金利をもらおうとする人達が出てきそうですね。
実際に、FXではスワップ金利を目的に取引をしている人はたくさんいます。
しかし、私においてはどうかと言いますと、「スワップ金利は完全に無視」「スワップ金利は気にしない」というスタンスです。
なぜでしょうか?
ここで、みなさんに今回覚えておいていただきたいのが、「金利平衡説」というものです。
仮に、「高金利通貨は高くなる」としてみてください。
イメージしやすいように、「トルコリラ円は高くなる」と仮定しましょう。
しかし、もしトルコリラ円を買うとしたら、その時反対側にトルコリラ円を売ってくれる人がいるからこそ、取引が成立するという事です。
トルコリラ円の「売り持ち」は、スワップ金利を支払う取引です。
ここで、「なんで、トルコリラ円を売る人がいるのだろうか?」と想像しなければなりません。
トルコリラ円を「売り持ち」する人は、スワップ金利で支払う以上に、円高になる事、つまりトルコリラ円の下落によって儲かると考えるからこそ、トルコリラ円を「売り持ち」するわけです。
実際に、この数年で見ますと、トルコリラ円は完全な下落トレンドです。
このように、「スワップ金利をもらう、スワップ金利を支払う」という違いはあるにせよ、長期的には低金利の通貨が上昇し(円高になる)、高金利の通貨が下落する(トルコリラ安になる)という事を金利平衡説と言います。
冒頭で、「ブラジルレアルは政策金利14.25%ですし、トルコリラは政策金利7.50%ですし、南アフリカランドは政策金利7.00%です」と述べました。
これらの国はなぜ高金利なのでしょうか?
それは、高金利にしないと、海外からのお金が集まってこないからです。
したがって、逆に言いますと、それだけ国家としての経済が不安定だという事でもあります。
そして、不安定だという事であれば、常に下落のリスクを抱えていると考えなければなりません。
ですので、私は「スワップ金利は完全に無視」「スワップ金利は気にしない」というスタンスなのです。
よく高金利に目がくらんで投資をした結果、「もらえる金利以上に通貨の下落によって損をした」という人達が後を絶ちません。
みなさんにおかれましても、スワップ金利によって判断が歪んでしまう事がないように、ぜひ今回の「金利平衡説」という考え方を意識していただければと思います。