「相場で生活するなんて大変そう」「相場で稼ぐって、どういうふうにやっているのですか?」
相場の世界に今まで関わったことのない、一般の方から聞かれる事があります。
その時、決まってする話があります。
以下、「私」と「Aさん」との会話です。
私:「みんな、短期間で大きく儲けたいって思うでしょ? 例えば1年で倍になるよりも1週間で倍になる方がいいと思っている人が多いわけです」
A:「確かに短期間で倍になったら嬉しいと思います」
私:「では、短期間で倍にしようと思ったらどうすればいいでしょうか?」
A:「かなりリスクを取るとか?」
私:「そうです、かなりリスクを取る必要があります。でも、そこに大きな落とし穴があります。かなりリスクを取るという事は、値段が少しでも逆に動いたら大きなマイナスになります」
A:「なるほど」
私:「短期間で大きく儲けたいというのは人間として普通の心理です。しかし、この短期間で大きく儲けたいという心理が相場の世界では落とし穴になります。つまり、インチキ無しで本当に相場の世界で勝ちたかったら、逆をしなければなりません。逆とはつまり、長期間で少しだけ儲かったらいいという心構えで臨むという事です。この長期間で少しだけ儲かったらいいという心構えが相場の世界で勝つコツになります」
A:「そういうものなのですね~」
上記のような会話を、私は相場経験のない方と話をする時によくしています。
つまり、私の本音であります。
上記の会話では「長期間で少しだけ儲かったらいい」という心構えについて語っていますが、相場の世界では「心構え」というものが本当に大事です。
どういう人が相場の世界で勝っていけるのかを考えた時に、一言で言いますと「心に余裕のある人が勝つ」と言えます。
1997年、IBM社製のスーパーコンピュータ「ディープブルー」がチェスの世界チャンピオンに勝利した、という出来事がありました。
この時、ずいぶんマスコミでも騒がれたのですが、話題になったのが「感情のある人間と感情のないコンピュータ」という事でした。
当時、「ディープブルー」に敗北した世界チャンピオンは「感情がない相手だから、やりにくかった」と語ったそうです。
つまり、勝負事の世界では「感情の乱れ」が弱点になるという事です。
そういう意味でも、「心に余裕のある人が勝つ」と言えると思います。
では、心に余裕を持つにはどうすればいいのでしょうか?
大事な事はたくさんあります。
しかし、敢えて一つだけ挙げるとするならば、「負けなければいいという心構え」です。
繰り返しますが、「負けなければいいという心構え」です。
勝とうとすると、思惑通りにいかない時にストレスが生じます。
ストレスは相場において普段の自分とは違う行動をとってしまう等、自身の行動を歪める原因になります。
それよりも、徹底して「負けなければいいという心構え」であり続ける事の方が、勝とうとする事よりも重要なのです。
「負けなければいいという心構え」が心に余裕を作り、「心に余裕のある人が勝つ」という事に繋がっていきます。
ですので、最優先で考えるべきは、「勝つ事よりも負けないための方法」です。
みなさんも、ぜひこういった考えを持って、相場に取り組んでみてください。